画像のデジタル化、標本化、量子化、クリッピング、関数変換、ポスタリゼーション、ヒストグラム、フィルタリング、アンチエイリアシング、ブレンディング
関連:「マルチメディアと識別子」、 「データ圧縮」、 「コンピュータグラフィックス」
画像処理とは、写真などのアナログ画像をデジタル化して、明暗や色のバランスを整えたり、輪郭を鮮明にするなどの処理をすることです。このようなフォトレタッチソフトは多く市販されています。ここでは、主に静止画像を対象にして、画像処理の基本的技術を取り扱います。
なお、このような分野の説明には実際の画像を示すのが適切ですが、それらは参考資料を見ていただくことにします。
デジタル化において重要なことは、
できるだけ元の画像を忠実に再現できるようにすること
記録容量をできるだけ小さくすること
という二律背反的な要求に対して、目的に応じて調和させることにあります。
写真のようなキメの細かい画像では細かいメッシュのフルカラーにして、イラストなどは粗いメッシュで256色にするとか、芸術作品や医学写真ではさらに細かく多色にするするなど、元の画像や用途に応じて標本化・量子化のレベルを決めます。
以下の画像処理は単純であり、通常は画像処理とはいいません。
ここでは、話を単純にするために、画像はモノクロで画素情報は濃淡だけだとします。それで、ここでの画像処理とは、元画像の濃淡を変化させることになります。色についても同様な考え方が使われます。
関数(下図のようなグラフ)により、元の画像の濃淡を変更する処理です。
変│ ┌── 変│ ┌── 変│ ┌───
換│ / 換│ │ 換│ │
後│ / 後│ ┌─┘ 後│ │
濃│ / 濃│ │ 濃│ │
淡│ / 淡│ ┌─┘ 淡│ │
│ / │ │ │ │
└──┴───── └─┴────── └───┴────
元の濃淡 元の濃淡 元の濃淡
(1)線形変換 (2)ポスタリゼーション (3)2値化
実際には、元画像の特徴や用途に応じて、直線だけでなく曲線を用いたり、数回の変換を組み合わせたりします。
ヒストグラムとは、濃淡のレベル別に画素数を数えたもので、横軸に濃淡レベル、縦軸に画素数の割合をとったグラフで表します。
ヒストグラムは、暗い画像では左側に偏り、明るい画像では右側に偏ります。それを一様分布あるいは中央に山がくるように、ヒストグラムの分布を与え、元のヒストグラムでの濃淡を与えられたヒストグラムになるように変換します。それにより、画像の明るさが改善されること、コントラストを変更することができます。
画像処理の一つにフィルタリングがあります。単純にいえば、ある画素の情報値を、その画素およびその周囲の画素の情報を計算して置き換える操作です。
┌1/9 1/9 1/9┐ ┌ 0 -1 0┐ ┌ -1 0 1┐ ┌ -1 -2 -1┐
│1/9 1/9 1/9│ │-1 5 -1│ │ -2 0 2│ │ 0 0 0│
└1/9 1/9 1/9┘ └ 0 -1 0┘ └ -1 0 1┘ └ 1 2 1┘
(1)平滑化 (2)鮮鋭化 (3)エンボス
画像処理により、新しい画像を作成するのではなく、ディスプレイなどに表示するときに使われる技法があります。
スムージングともいいます。ディスプレイに画像を表示するとき、斜めの線や曲線の部分に現れるギザギザ(ジャギ、Jaggy)を目立たなくする方法です。特に、文字フォントの表示を美しくするのに重視されています。
画面では画素が格子状に並んでいるので、水平部分と垂直部分以外にはジャギが発生します。標本化するときに、メッシュを細かくすれば目立たなくなりますが、大容量になってしまいます。
基本的な方法は、境界線の周囲に中間色の画素を挿入して目立たなくします。そのため、画像がややぼやけてしまう欠点があります。
最近のパソコンでは、文字フォント表示に「ClearType」が使われています。高度な仕組みなのですが、簡単にいえば、ディスプレイの赤・青・緑のサブピクセルを使って、キメの細かい補正をしているのです。
ある画像に半透明な画像を重ねる技法です。アンチエイリアシングとして用いることもありますが、背景画像に画像を加えるようなときに使われます。二つの画像を係数(アルファ値)を使って半透明合成することをアルファブレンディングといいます。