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経営者のIT活用の認識

キーワード

経営者の満足度、戦略的システム、戦略的システム実現の困難性


大企業を対象にした調査では、経営者や企画部門の多くが、IT投資に関して「ある程度効果がある」と評価しています。
 ところが、その効果は事務処理の効率化や情報の共有化など、どちらかといえば従来から取り組んできた分野であり、業務改革や新規ビジネスなどの戦略的な分野では、期待通りに十分な成果をあげている比率がまだ低い状態です。(図表)


将来の経営戦略上の課題を解決するために、ITの積極的に活用することが必要だと認識しています。(図表)

しかし、これを鵜呑みにして、数年後には戦略的利用が実現されると期待するのは甘すぎます。
 「IT化のこれまでの重点分野とこれからの重点分野は?」などのアンケート調査では、「これまでは事務処理の効率化が主だったが、これからは戦略的な利用を重点にしていく」という回答が多数になります。ところが、数年後に同じ質問をすると同じ回答が同じような比率で返ってきます。数十年、これが繰り返されているのです。

戦略的活用が重要なことは広く認識されています。ところがその実現には、どのようなシステムにすればよいかを検討するのは難しいことです。実際に効果を生み出すには、業務の方法を抜本的に変更する必要があり、そのなかには顧客や関係先との折衝もあります。全社的な取り組みが必要なのです。 (参照:「自社カードプロジェクト失敗例」
 しかも、いったん実現しても、競争相手はすぐにキャッチアップするので、戦略性の価値が減少します。また、環境は常に変化しているので、戦略的システムもたえず見直す必要があります。すなわち、戦略的システムは永久に完成しないプロジェクトなのです。


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