RFID(Radio Frequency Identification)とは,微小な無線ICチップです。数センチ~数メートル離れた位置から無線により情報を受信して情報を記憶したり,記憶している情報を発信することができます。
このチップ単体のことをRFIDタグあるいはICタグといい、カードに埋め込んだものを非接触ICカードといいます。
バーコードなどと比較して、RFIDには次の利点があります。
- データ量が大きい。
通常のタグでも512ビット(64バイト)、特殊用途の大容量タグでは64Kビット(8Kバイト)のものもあります。
- 書き換えが可能
読み取りだけでなく、書き込みもできます。
- 同時可能
無線で非接触なので、複数のタグを同時に読み取り、書き込みができます。
- 耐久性が高い
表面が汚れていても無関係。直接触れないので擦れることがなく、長期にわたる使用が可能です。
ICタグでバーコードに相当する体系が、現在では3つあります。いづれも、次の構成になっています。
ヘッダー:用途コードの種類や拡張に用いる部分
用途コード:JANコードなど利用者や業界がつけるコード
シリアル番号:チップメーカーがつける番号
- EPC(Electronic Product Code)
EPCglobalによる64ビットと96ビットのコード。JANコードと同様に商品識別、物流に用いられます。用途コードは企業コードと商品コード、ヘッダーには出荷形態などが入ります。
- uchode
日本の「ユビキタスIDセンター」による体系です。基本は128ビットで必要に応じ拡大可能なので、多様な既存コードを包含することができます。
- ISO/IEC 15963
64ビットの体系で、先頭の8ビットで発行機関を識別する「割り当てクラス」、続く8ビットは、割り当てクラスが「11100000」の場合、RFIDタグを製造するメーカーID、そして残り48ビットがシリアル番号になっています。現在唯一のISO規格ですが、ビット数が少なく拡張性に乏しいので、これに統一することができない状況になっています。
RFIDは広い分野で用いられています。
非接触ICカードでは、次のような利用があります。
- プリペイドカード、クレジットカード
ポピュラーな非接触ICカードに Suica や Pasomo があります。
- 社員カード(身分証明カード)
セキュリティのために、入室チェックをするときに、荷物があり手がふさがっていても、監視装置が自動的に判別して、ドアの自動開閉ができるので便利です。住基カードも非接触ICカードです。
- 健康カード
食品アレルギーなどの体質や重要な病歴を記録しておき、救急病院で適切に対処したり、自己健康管理に用いたりすることが検討されています。
RFIDタグを商品や部品につけることにより、多様な用途があります。
- 生産分野
倉庫からの部品の取り出し、ベルトコンベアでの個数の確認、行き先の制御などに用いられます。
- 流通分野
倉庫での入出荷では品物を車に積んだまま、品名や個数を確認できます。在庫確認も離れた位置から同時に多数のものを調べることができます。
- 小売分野
カゴに入れたままレジ処理ができます。商品あるいは陳列棚に、商品の特徴などを記録したタグをつけておき、顧客に携帯電話などで読みとらせることができます。
- トレーサビリティ
安心・安全のため、食品や薬品では、原料、生産地、加工業者などの記録を消費者に示すことが重視されています。各業者、各工程を通過するときにRFIDタグに記録を書きこむことにより、それが容易に実現できます。
このように利用分野は多彩ですが、RFIDタグは消耗品ですので、普及するためには単価が安くなる必要があります。そのための技術開発が行われています。