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SCMを必要とする背景


顧客ニーズの特徴

顧客ニーズは頻繁に変化します。需要が伸びるのに生産や店頭陳列が少ないと機会損失になりますし,売れると思って大量に生産したり店舗に在庫すると,不良在庫になってしまいます。それに対処するには,顧客動向の把握から生産して陳列するまでの期間を極度に短くする必要があります。

小売業・卸売業の事情

店舗の利益をあげるには,次のような対処が必要になります。

  1. 在庫を減らし,しかも品切れを発生させないこと
  2. それには,売れ筋商品を陳列し,死に筋商品を持たないこと
  3. その把握のためには,POSデータの分析が必要なこと
  4. 売れ筋商品も在庫を減らすこと
  5. それには,卸売業や製造業に多頻度小ロット配送を要求すること

製造業の事情

製造業は,大きく見込生産受注生産に区分できます。

見込生産と受注生産

見込生産は日用品のように,まず製品を作っておき,注文に応じてできあがっている製品を納入します。納期を非常に短くできる利点や生産を平滑化できる利点はありますが,製品在庫が多くなる欠点があります。それに対して,受注生産は注文服のように注文を受けてから生産するので,製品在庫は発生しませんが,納期が長くなるし,それを短縮するには部品在庫を十分に持ち,設備や工員に余裕を持たせるなどのコストがかかります。

ここでは,主に見込生産の分野を取扱います。見込生産では需要予測が大切ですが,顧客ニーズが激変しますので,その精度をあげるには,予測の期間を月から週へ週から日へと短縮するのが効果的です。それを推し進めれば見込生産を受注生産に切り替えることになります。これを実現するには,生産期間を極度に短くし,しかも部品も極度に少なくすることが必要です。

このように,顧客志向マーケティング戦略を実現するには,スピードとコストが重視されています。顧客ニーズが頻繁に変化する環境では,顧客情報を迅速にキャッチするとともに,受注から納品までの期間を短縮することが大切です。また,コストダウンは顧客に低価格で提供し企業競争に勝つために重要ですが,それには流通過程での部品や製品の在庫削減をするのが効果的です。

在庫を豊富に持てば,納入期間を短縮するのは簡単ですが,在庫費用が増大してしまいます。在庫を少なくすれば,在庫費用は削減できますが,注文に変動があれば品切れが発生してしまいます。このように,両者の間には相反する関係がありますが,それを情報技術を活用することによって,同時に実現しようという努力がなされてきました。


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