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サプライチェーン・マネジメント

学習のポイント

SCM(Supply Chain Management)とは,日本語にすれば供給連鎖管理ですが,ここでのサプライチェーンとは,受注,部品調達,製品生産,物流,販売など,顧客から注文を受けてから製品を顧客に納入するまでのすべての活動を1つのチェーンとしてとらえることです。そして,SCMとは,そのチェーン全体を合理化することを目的とした経営技法です。

本章では,次の事項について学習します。

  1. SCMの重点対象である納期の短期化と在庫削減の必要性を理解します。
  2. SCMの概要を事例を通して理解します。
  3. SCMを支援する多様な情報技術や経営技法との関係を理解します。

キーワード

SCM,多頻度小ロット配送,見込生産,受注生産,デル・モデル,JIT(ジャストインタイム),かんばん方式,QR,ECR,VMI,EDI,SCP,MRP,PERT,TOC


SCMを必要とする企業環境

顧客ニーズと企業の対処


SCMの実例


3 BPR・ERPとSCM

SCMと同様な概念は以前からもありました。また,SCMとはいわなくても同じような目的を持った概念があります。
 BPR(Business Process Reengineering)もERP(Enterprise Resource Planning)も顧客満足を向上させるために,組織や業務を全面的に改革して、企業全体の経営資源を一元管理することにより、最適化を図る経営技法です。

ERPパッケージは,それを実現するための業務統合パッケージです。とかく従来の基幹業務システムは生産、販売などの業務ごとに縦割りに構築されてきましたが、それでは全社的に業務の連携をとりデータを共有することができません。ERPパッケージを導入することにより,データをリアルタイムで共有できるインフラが確立するのです。

初期のBPRやERPは,企業内の業務革新が中心でした。しかし,それでは革新の範囲が狭く,効果が限定されます。それで,企業間にわたるBPRが必要になり,ERPパッケージもそれを支援するように発展してきました。このようにSCMを目的としたパッケージをSCP(Supply Chain Planning)ソフトウェアといいます。


小売業・流通業を中心としたもの

EDI

企業間ネットワークで受発注データを交換することは,かなり以前から行なわれています。特に1980年代にはSIS(Strategic Information System:戦略的情報システム)の概念の出現もあり,急速に発展してきました。EDI(Electronic Data Interchange)とは,企業間での電子的なデータ交換のことでもあり,それを円滑にするための各種取り決めのことでもあります。その取り決めのことをビジネス・プロトコルといいますが,商品につけられたバーコードや伝送方式など多様なものがあり,それの国際標準をEDIといいます。

EDIにより,より迅速な情報交換が可能になり,データが電子化されているために情報共有が容易になります。最近はSCMを支援するために,需要情報や在庫情報,さらには電子決済にも利用されるようになってきました。また,EDIをインターネットで利用することにより,世界中の取引先とのデータ交換ができ,安価でデータ交換ができるので,中小企業も含めた利用が進んでいます。

QR・ECR

セブンイレブン


製造業を中心としたもの

トヨタの「かんばん方式」

SCMへの発展


理解度チェック

第1問

  1. [ 1 ]志向のマーケティング戦略を実現するには,[ 2 ]と[ 3 ]が重視されている。[ 2 ]については,顧客ニーズが頻繁に変化する環境では,顧客情報を迅速にキャッチして受注から納品までの期間を短縮することが大切である。また,[ 3 ]については顧客に低価格で提供するために,特に流通過程での部品や製品の在庫削減が注目されている。在庫を豊富に持てば[ 4 ]が増大するし,在庫を少なくすれば[ 5 ]が発生する危険がある。このように,両者の間には相反する関係があるが,それを同時に実現するために情報技術が活用されている。受注,部品調達,製品生産,物流,販売など,顧客から注文を受けてから製品を顧客に納入するまでのすべての活動を1つのチェーンとしてとらえ,チェーン全体を合理化することを目的とした経営技法を[ 6 ]という。
    1 顧客志向 2 スピード 3 コスト 4 在庫費用 5 品切れ 6 SCM
  2. 顧客ニーズを迅速に満足させ,在庫などの流通コストを削減するためには小売業・卸売業・製造業の三層が協力することが必要である。これを業界ぐるみで推進すれば,さらに効果的であるが,衣料品百貨店業界でのそれを[ 7 ]といい,日用雑貨・食品業界でのものを[ 8 ]という。[ 6 ]はそれらの発展形態である。
    7 QR 8 ECR
  3. [ 6 ]を目的とした情報システムのソフトを[ 9 ]ソフトというが,それには[ 10 ]から発展したものとスケジューリングを重視したものがある。後者では,制約条件の理論である[ 11 ]が重視されている。
    9 SCP 10 MRP 11 TOC

第2問

  1. 納期短縮と在庫削減とは相反することなのだろうか,それとも互いに補強するものなのだろうか。
  2. SCMは企業間にわたるBPRであるといわれるが,その理由を考えよう。
  3. SCMを実現するには,企業間でどのような文化が必要になるだろうか。

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