オペレーションズ・リサーチ(OR:Operations Rearch)とは,応用数学の一分野で,数学的なアプローチにより経営問題の意思決定を支援する分野です。もっと単純には「合理的なものの考え方」であるといってもよいでしょう。
ORの歴史は古く,第二次世界大戦中に米英軍により開発されました。連中はいかに効果的に戦争をするかを考えたのに,当時の日本軍は精神力を重視して合理的な発想をむしろ拒否する風潮でした。現在の企業経営にもその文化が残っているのではないでしょうか。
あるいは,コンピュータの発展により,なんでもコンピュータを利用したがる風潮があります。しかし,「合理的なものの考え方」をせずに,大量のデータを加工したのでは,費用がかかるだけでなく,誤った意思決定をしてしまう危険があります。
オペレーションズ・リサーチには,よく用いられるパターン(技法)があります。ここでは,初心者を対象に古典的な(有名な)OR技法のいくつかを紹介します。
ここでは,合理的なものの考え方が重要であることを,採算計算とゲームの理論を用いて説明します。以下の技法を学ぶ前に,ぜひこれを読んでください。
好況・不況に対して積極案・消極案のどちらを選択するかという自然を相手にした意思決定の方法を(狭義の)決定理論といい,相手との競争環境における意思決定に関する理論をゲームの理論といいます。
企業では,費用をかけて販売店舗や生産設備を購入したり情報システムを構築したりすることによって長期的な売上増大やコストダウンなどの利益を得ています。このようなプロジェクトを設備投資といいます。このシリーズでは,提案された投資案が投資に要した費用と期待できる利益とを比較して,その投資案を採用するか却下するかを決定するための基本的な考え方を理解します。
線形計画法とは,次のような問題を解く方法です。
目的関数 Z=3x+2y → 最大 制約条件 4x+1y≦72 2x+2y≦48 1x+3y≦48 x≧0,y≧0
いっけん大したことのないように感じられるかもしれませんが,非常に応用のきく手法であり,数多いオペレーションズ・リサーチの手法のなかでも,最も普及しており,実務的に最も効果がある手法の一つです。単に最適解が得られるだけでなく,同時に得られるレジュースト・コストの概念は,会計的な原価計算や限界利益の概念よりも,利益戦略に適したものなのです。
納期が厳しいプロジェクトでは,とかく「全員一丸となって努力せよ」と叱咤しがちですが,それでは効果的な管理はできません。ネックになっている工程(クリティカル・パス)だけが問題なのであり,それを重点に管理する必要があります。PERT(Program Evaluation and Review Technique)とは,日程計画,作業計画,スケジューリングなどともいわれ,プロジェクトを最短で完了させるには,どの作業をいつから開始していつまでに完了させればよいか,重点となる作業は何かなどを求める方法です。
コストダウンのためには,品切れを起こさず余計な在庫を持たないことが重要です。ここでの在庫管理とは,倉庫から毎日出荷をしており,発注すると数日後に入荷があるというようなシステムを取り扱います。在庫に関する費用を最小にするには発注量をどの程度にすればよいか。品切れを5%以内にするには,在庫をどの程度余計に持てばよいかといった問題を考えます。
客が窓口に到着したときに,すぐにサービスが受けられるか,前の人が終わるまで行列の後ろにならぶかの確率や,サービスが受けられるまでの平均待ち時間などを計算する問題です。一部を除いて,かなり数式が出てくるのが特徴です。