Ｗｅｂページでの著作権侵害の例

Ｗｅｂページを公開する際に，知識がないことや不注意により著作権を侵害する例を列挙します。

画像の転用

［戻る］ボタンや横線のリボンなどのちょっとした画像であっても著作物です。無断での利用は著作権侵害にあたります。また，単に画面を飾るためだけの理由で掲載するのは，必然性がないので引用にも該当しません。

タレントなどの写真

生徒にＷｅｂページの作成をさせると，タレントの写真を掲げていることがよくあります。他人が撮ったものであれば著作権の対象になりますし，自分が撮ったものでも，肖像権の侵害になります。有名人の顔はそれが商品だとみなされるため，出演料を請求されることすらあります。また、商品などの写真が掲げられていることもありますが，商標権や意匠権の侵害になることがあります。

引用の曖昧性

学生の作品では，引用のしかたが不適切な事例があります。どこが引用で，どこが自分のものかわかりません。他人の文章を単に表現を変えているだけというのは，同一性保持権までも侵害していることになります。

スクリプトのコピー

画面を動的に変化させるなど，スクリプトをうまく活用しているＷｅｂページを見ると，そのテクニックを自分のＷｅｂページにも取り入れたくなります。ソースを調べてテクニックを理解するのは差し支えありませんが，ソースそのものをコピーして取り込むことは，著作権の侵害になります。

「フリー素材」の利用

インターネットのＷｅｂページには，「個人のＷｅｂページに使ってよい」というフリー素材が多くあります。そのなかには，私的利用や非営利目的に限ると指定している場合があります。企業などで使うのは，Ｗｅｂページの内容に関係なく営利目的であると解釈されるのが一般的ですし，個人が作成したＷｅｂページでも，内容によっては営利目的とされることがありますので，注意が必要です。
　また、フリーとはいっても著作権を放棄していることは稀ですので，自分で勝手に変形してはいけません。
　なお，PowerPointのクリップボードなど，当初からＷｅｂページに使うことも考慮している機能での画像は，特に明記されていなければ，個人の非営利のＷｅｂページでは，断らないで自由に使ってもよいと考えられます。

ＵＲＬのリンク

他サイトへのリンクをするとき，そのＵＲＬやタイトルの表示を無断で行っても著作権の侵害にはならないというのが，一般的な見解のようです。しかし，リンク先が他人のページであることを明示する必要があるのは当然です。例えば，他者のＷｅｂページに移るときは，新しいウインドウを開くようにすると，わかりやすくなります。
　なお，Ｗｅｂページのなかの画像だけをリンク先に指定するのは，転用とみなされて著作権の侵害になることがあるので不適切です。少なくとも，それを含むＷｅｂページにリンクすべきですし，原作者のスタートページやその付近から容易に該当ページにたどりつけるようなら，なるべく上位のディレクトリをリンク先にするのが適切です。これには，原作者がディレクトリを変更しても，リンク切れにならない効果もあります。