全般に米国は日本よりもIT投資額は高いのですが、特に、インターネットが急速に普及しIT革命だといわれるようになった1990年代中頃から格差が増大しました。現在では、日本での投資額は20兆円/年程度ですが、米国では500億ドル/年を超えています。 (図表)
IT投資は、景気の動向に左右されます。その影響を外すために、民間投資全体に占めるIT投資の割合(対民間投資比率)がよく使われます。この比率が高いのは、生産設備や店舗などへの投資よりもITへの投資が優先されることであり、企業がITを重視して積極的であることの尺度だといえます。
情報化社会の発展とともに、両国ともにこの比率は高くなっていますが、日本では約25%程度なのに、米国では40%を超えています。
(図表)
不況のときのIT投資には二つの考え方があります。積極派の人は、不況から脱出するために、ITを活用して合理化の推進や新分野の開拓をすべきだといいます。慎重派の人は、従来型の生産や販売への投資を削るのは不適切だ。IT投資から利益を得るのは不確定要因が多いし、得るのに時間がかかる。それでIT投資を抑制せよ(延期せよ)と主張します。
日本では、不況になると対民間投資比率が下がり、好況になると上がる傾向がありました
(図表)。
しかし近年ではその傾向はなくなりつつあります。米国では、そのような影響は比較的少ないないようです。
ITで効果を得るには、投資額よりも資本ストックのほうが適切な要因になります。ストックとは、単純にいえば資産簿価であり、過去の投資の累積で、その時点で保有している能力だといえます。
これで比較すると、日米の格差はさらに大きくなります。情報通信ストックの額は、。20~30倍の開きがあります。対民間資本ストック比率では、日本が4%程度、米国は10%程度です
(図表)
。これに、IT利用に関する企業の経験・スキルなどの統計に表れない要素を加えたら、ITに関する能力の違いはさらに大きいといえましょう。