地震のような大規模災害は事業の継続ができなくなる危険がありますので,通常のセキュリティ対策とは質的に異なる対策が求められます。事業継続のための計画をBCP,それをマネジメントすることをBCMといいます。
本章では,BCP/BCMについて,
その重要性と概念
国の策定したガイドライン
について学習します。
BCP(事業継続計画),BCM,ビジネスインパクト分析,CSR(企業の社会的責任),事業継続計画策定ガイドライン,事業継続ガイドライン,中小企業BCP策定運用指針
地震,火災,テロなどもよる大規模なシステム障害が発生すると,基幹事業が停止している間の利益損失が発生しますし,取引先や顧客を失う大きな原因にもなり,事業からの撤退につながることがあります。
また,自社の事業停止が取引先や顧客の事業停止へと影響が連鎖することもあります。さらに,業種や情報システムによっては,社会全般に大きな影響を与えることになります。
ですから,企業には危機に直面したときでも
許容限界以上のレベルで事業を継続させること
許容される期間内に操業度を復旧させること
ことにより,事業を継続する社会的責任があるのです。
そのための計画立案・実施,そのマネジメントシステムがBCP/BCMです。
事業継続は社会的責任の重要な側面ですし,システムの維持は情報セキュリティ対策での重要目標です。それでBCP/BCMは,多くの基準等に関係しています。
http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/6_bcpguide.pdf
主にIT事故を対象として,BCPの実務者がBCP作成するときに参考とするべき,基本的な考えかた,具体的な計画の構築手順,検討項目などを網羅的に記載しています。
本文 第Ⅰ章 基本的考え方 BCPの必要性,求められる背景,BCPの特性,世界と日本の動向 第Ⅱ章 総論(フレームワーク) BCP策定での考慮事項,組織体制,BCP策定の手順,教育・訓練,維持・管理 第Ⅲ章 BCP策定にあたっての検討項目 発動,業務再開,業務回復,全面復旧のフェーズでの対応ポイント リスクコミュニケーションの重要性 第Ⅳ章 個別計画(ケーススタディ) 大規模システム障害,セキュリティインシデント,情報漏洩,データ改ざんへの対応 参考資料集 参考1 各フェーズにおける実施項目 参考2 対策本部室に備えるべき設備・備品類チェックリスト 参考3 フェーズ毎の対策本部の役割 参考4 フェーズ毎の各チームの役割 参考5 システム関連BCP一覧表の項目 参考6 代替手段の検討項目事例 参考7 総括の項目(システム関連) 参考8 ベストプラクティス:BCP構築事例
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| BCPプロジェクトの組織体制の例 | 検討項目の全体像とポイント | 緊急連絡ルール(システム障害関連) |
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経済産業省「事業継続計画策定ガイドライン」2005年3月 企業における情報セキュリティガバナンスのあり方に関する研究会報告書参考資料 http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/6_bcpguide.pdf |
http://www.bousai.go.jp/MinkanToShijyou/guideline01.pdf
「事業継続計画策定ガイドライン」と比較して,次の特徴があります。
1 対策をITだけでなく,業務全般を対象にしている。
2 逆に,脅威を自然災害,特に地震を対象にしている。
3 そのために,地域との連携を重視している。
4 全体の考えかたを主にして,具体的なBCP作成には触れていない。
5 経営者のためのチェックリストを添付している。
本ガイドラインの構成は次の通りですが,「Ⅱ 事業継続計画および取組みの内容」が中心であり,事業継続の取組みの流れを図のように示しています。
ポイント
Ⅰ 事業継続の必要性と基本的考え方
Ⅱ 事業継続計画および取組みの内容
Ⅲ 経営者および経済社会への提言
別添チェックリスト
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_a/bcpgl_00.html
中小企業は,財政的能力が弱いために,災害等の被害が事業継続に深刻な打撃を与えることが多いのに,事業継続への成熟度が未熟な面があります。
この指針は,経済産業省中小企業庁が,中小企業経営者が自らBCPを策定し運用することができるよう,わかりやすく解説したものです。
大規模災害において事業継続を図るためには,
1 優先して継続・復旧すべき中核事業を特定する
2 緊急時における中核事業の目標復旧時間を定めておく
3 緊急時に提供できるサービスのレベルについて顧客と予め協議しておく
4 事業拠点や生産設備、仕入品調達等の代替策を用意しておく
5 全ての従業員と事業継続についてコニュニケーションを図っておく
ことが重要であると指摘して,次の内容になっています。
1. はじめに 2. 基本方針と運用体制 3. 策定運用(基本,中級,上級) 事業の理解,BCPの準備,BCPの策定,BCP文化の定着, BCPの更新,自己診断など 4. 緊急時のBCP発動(共通) 発動フロー実施項目,初動対応のポイントなど 5. 財務診断モデル(基本,中級,上級) 復旧費用の算定,損害保険の整理,緊急時の資金財務診断と対策など 6. 事前対策メニュー(共通) 7. BCPの様式類 基本方針策定,運用体制,中核事業影響度,ボトルネック資源など 8. BCP関連資料 9. 用語集
「事業継続計画策定ガイドライン」「事業継続ガイドライン」と比較して,次の特徴があります。
1 対象企業の成熟度に応じて基本・中級・上級に分けて説明しています。
ステップバイステップで改善することが重要だとしています。
2 特に復旧費用や保険など財務面の対策を重視しています。
3 BCPで作成するべき各種文書のひな型を提供しています。
これらを作成することにより,BCPのベースを整備するのが目的です。