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ISO/JISの解説

キーワード

ISO、ISO/IEC、JIS、ISO、ISO/IEC、JIS、マネジメントシステム、プロセスアプローチ、要求事項と実践規範


国際規格(ISOとIEC)

ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)は各国の標準化機関の連合体で、電気及び電子技術分野を除く全産業分野(鉱工業、農業、医薬品等)に関する国際規格の作成を行っています。
 IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)も各国の標準化機関の連合体で、電気及び電子技術分野の国際規格の作成を行っています。
 この二つの機関は、情報処理分野の標準化を進めるために設立された合同専門委員会により互いに協力して規格化を行っています。その協力により規格化されたものを ISO/IEC 27001 のような規格名にしています。これを略して ISO 27001 のようにいうこともあります。
 なお、規格は必要に応じて改訂されます。どの改訂版であるかを明示するためには、設定年あるいは改訂年を加えて ISO/IEC 27001:2006 のように表示します。

国家規格(JIS)

JIS(Japan Industrial Standard:日本工業規格)は、工業標準化法に基づいて、すべての工業製品について定められる日本の国家規格です。その規格化作業は、日本工業標準調査会が行っています。規格名は分野別に区分されており、
  情報処理: JIS X xxxxx
  品質管理: JIS Q xxxxx
になっています。
 多くのJIS規格はISO規格に合わせてあり、規格名もなるべく似たものを採用しています。
 JIS本文は、日本工業標準調査会のサイト
   http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
で閲覧できます。

なお、米国の国家規格は、ANSI(American National Standards Institute)、英国の国家規格はBS(British Standards)です。

規格での共通事項

ここでの規格の多くは、マネジメントシステムに関する規格であり、なかには認証制度に関するものもあります。共通に用いられる用語・概念を理解しておくことが必要です。

マネジメントシステム
マネジメントとは管理と訳されることが多いのですが、最近は、経営的観点から全社的に把握すること、PDCAサイクルにより継続的な改善を行うことを重視しており、訳さずにマネジメントといい、その体制や仕組みをマネジメントシステムといいます。
プロセスアプローチ
プロセスとは、何らかのインプットを得て、それをアウトプットにする活動のことです。課題を受け取り、それを解決した結果を報告する活動でもあります。
 一般にプロセスは、大きな活動単位のことをいい、
  それを細分化したものをアクティビティ
  さらに細分化した最小単位をタスク
といいます。
業務は、これらのプロセス、アクティビティ、タスクの連鎖あるいは相互関連により達成されます。
 このように、活動を体系化して関連を明確にする方法をプロセスアプローチといいます。
要求事項と実践規範
規格のなかには、企業が適切なマネジメントシステムを実施しており、継続的に改善していることを、第三者の機関が審査する制度を持つものがあります。そのような場合、規格を要求事項と実践規範に分けているものがあります。
 要求事項とは審査項目であり、審査合否の判断基準を示すものです。
 実践規範とは、マネジメントシステムを実践するためのベストプラクティスです。
実践規範を実践することにより、要求事項を達成することができます。一般的には、要求事項と実践規範は同じ章立てになっており、要求事項の各事項について実践規範で具体的な方策を示す内容になっています。
JIS本文の構成
たとえば、JIS Q 9001の目次は、次のようになっています。
   序文
   1.運用範囲
   2.引用規格
   3.定義
   4.品質マネジメントシステム
   5.経営者の責任
   6.資源の運用管理
   7.製品実現
   8.測定、分析及び改善
多くのJISでは、3までは同じで、4にそれぞれのマネジメントシステムについての詳細があり、5に「経営者の責任」があり、6以降はそれぞれに特徴により異なります。

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