UPS(無停電電源装置)
UPS (Uninterruptible Power Supply, 無停電電源装置) とは、停電時に一定時間電力を供給し続ける電源装置の総称です。
- 個人用UPS
- 最も単純な装置はバッテリーです。モバイル用機器にはバッテリーがついているのは当然ですが、ディスクトップでも小さなボタン電池を内蔵しています。これは主にBIOS設定情報維持のための電源ですが、きわめて短い瞬断(10ms)の場合に最低限の回避処理ができるようになっています。
それ以上の停電に対処するには、バッテリー型(インバータ方式)のUPSを設置します。通常は2~5msで切り替えられます。
(注)ボタン電池は容量が小さいので、ディスクトップを電源を切って数か月放置すると、蓄電が消耗してしまい、BIOSが立ち上がらなかったり、電源すら入らなくなることがあります。そのときは市販のボタン電池(CR2032)を付け替えて時計合わせなどをすれば復旧します。
- 大規模UPS
- 大規模なデータセンターなどでは、長時間停電に対処するために自家発電設備を備えています。しかし、停電発生から発電機起動までの間に時間がかかります。その間の対策として大容量のUPSを設置しています。停電発生時、搭載するバッテリを使い無瞬断で電力供給を行い、それと同時に、自家発電装置の発電機を起動させ、安定運転するのを確認しバッテリ給電から、発電機給電に切り替えます。
関連機器
情報処理用の電源は諸元(電圧や周波数)が規格に合致し変動が小さいことが要求され、次のような機器があります。
- AVR
- AVR(Automatic Voltage Regulator、自動電圧調整器)は文字通り、電圧を安定した値に変換する機器です。
インバータ方式は、入力電圧を整流平滑回路により直流電圧に変換します。また、DC/ACインバータはその直流を交流を出力します。それにより、CVCFの機能も持つものもあります。
- CVCF
- 通常のコンピュータ用のUPSは直流出力ですが、買電と同様の交流出力をするものをCVCF(Constant Voltage Constant Frequency、定電圧定周波数電源)といいます。買電の品質が悪いときに、電圧やサイクルを安定させることが本来の目的ですが、これとUPSを連動させるのが通常です。