人材育成、モチベーション、リーダーシップ、CDP、HRM、OJT/OffJT、e-ラーニング、ゲーミフィケーション、情報リテラシー、ITSS、ETSS、UISS、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)、知識体系(BOK)、人材モデル、スキル、iCD(i コンピテンシ ディクショナリ)、情報処理技術者試験
「人材育成」の前提として、人はなぜ働くのか、進んで積極的に仕事をしてもらうにはどうするかなどを考えます。
人が働くのは、その仕事をしようという意欲があるからです。その意欲を高めるために動機づけることをモチベーションといいます。各人の意欲を高めることは、組織にとって重要ですので、かなり以前から研究されてきました。
第3段階までを欠乏欲求、第4・5段階を成長欲求としています。
リーダーとは、組織をある目的のために統率する人のことであり、リーダーシップとはリーダーがその任務を達成するための能力のことです。「共通の仕事や課題を達成するために、他人の協力を得ることができる社会的な影響力」という定義もあります。
リーダーシップに欠けるリーダーもいますし、特定の環境下ではリーダーでなくてもリーダーシップを発揮することがあります。
「モチベーション」とは、各人のやる気ですが、リーダーシップとは他人のモチベーションを高めることだともいえます。
古典的には、リーダーは生まれながらにして持っている特性によってリーダーシップを発揮しているという特性理論がありましたが、近代では、リーダーシップは天性のものではなく、行動によって発揮されるという行動科学的リーダーシップ論が主流です。
行動科学的リーダーシップ論は、優れたリーダーと非リーダーの行動に注目し、両者の違いを研究することにより、リーダーシップの行動を類型化しようとした理論であり、優れたリーダーの行動を非リーダーに模倣させることにより、リーダーを育て上げるための理論でもあります。
全ての組織に適したリーダーシップなどは存在せず、組織が置かれた環境条件により適切なリーダシップは異なるという理論です。
SL理論(Situational Leadership Theory:条件適合理論)は、IT技術者のキャリアアップは、IT技術者本人にとっても、企業にとっても重要な事項です。これはIT業界に限定せず、全業界に共通する経営課題です。それで、近年、CDPという概念が注目されています。
CDPとは、社員の自主的な能力開発に併せて教育や人員配置などを行い,人材の育成を図る技法です。社員と企業がよく話し合い、社員の希望、企業ニーズ、業界動向など多面的な観点から、長期的・短期的な目標を設定し、PDCAサイクルにより達成する仕組みです。
IT業界は、環境変化が激しいので、適切なCDPを作成するのが困難なことが多いといえますが、逆にそれだからこそ、CDPを検討することが重要なのだともいえます。
社員の能力を最大限に引き出すためのキャリアパスの設定,教育・育成,スキル管理などを総合的にマネジメントする経営手法をHRMといいます。
コンピュータ活用の初期段階から、「人事管理システム」は構築されていました。しかし、その内容は給与計算や履歴記録など単なる事務的な処理が主でした。それが、人材活用が重視されるとともに、戦略的な分野に活用されるようになりました。
HRTechとは、人事・人材(Human Resources)とテクノロジー(Technology)とを組み合わせた造語で、人材採用や人材育成、人事評価といった人事領域に活用できる主にデジタル技術という意味です。
非常に漠然とした広い概念で、勤怠管理や給与計算などにコンピュータを利用することまで含みますが、注目されているのは社員のスキル管理や育成システムなどの分野でビッグデータを構築したり、それをAIを活用したりするような分野です。
知識やスキルを習得させる方法は、大きく2つに区分されます。
複数の事例を取り上げて、理論が当てはまるか検証したり、問題点を発見して対処法を検討すること。
Off-JT においては、OJTのような具体例での訓練をするために、受講者全員が理解できる程度に、ある程度簡潔化した事例を材料にして演習させることがよく行われます。
上司が部下を教育するには、いくつかの類型があります。
人事異動や担当業務変更などのことです。企業の環境変化に伴う不要部門から必要部門への異動、同一業務に長くいることの弊害を防ぐ目的もありますが、スキルアップの観点から、関連業務を習得するために行うことが多いのです。
社員の現在のスキルとそのレベル、企業が必要とするスキル人材の人数、本人のキャリアアップ計画などを検討して行うのが理想的です。無計画なローテーションは、企業の戦力低下を招いたり、本人の不満を増大させる危険性があります。
コンピュータを使用した学習支援をCAI(Computer Assisted Instruction)といいます。
CAIを基礎にして、インターネットなどの環境により学習する形態をWBT(web-based training)といいます。
e-ラーニングとは、WBTのこと、あるいはWBTを発展させた学習システムで、
簿記やプログラミングなど汎用的な分野の教材は、教材作成業者が開発したものがあります。自社独自の分野に関しては、学習教材のデジタル化、インターネットでの学習方法の作成、学習・成績管理を行う機能などを統合化したe-ラーニング開発ツールがあります。
e-ラーニングは、企業でのOffJTとしてだけでなく、生涯教育での有用な手段とされています。高等教育(大学等)では、授業の教材一式をWebページで公開するOCW(オープンコースウェア)が広まってきました。
学習者が主体的に学ぶ教育法です。従来の教師が一方的に知識を伝える授業とは異なり、グループワークやディスカッションなどを通して、自ら考え、議論し、問題を解決する力を養うことを目的としています。
学習者各人に最適な学習内容を提供することで、より効率的、効果的な学習を実現する方法です。従来のような教育者の経験ではなく、生徒の学習状況を蓄積し、AIなどを活用した客観的な分析をして習熟状況や不得意分野を明らかにして、適した教材を提供します。e-ラーニングの効果的な活用として注目されています。
コンピュータ・ゲームのゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用することです。
コンピュータ・ゲームは人々を熱中させます。コンピュータ・ゲームのノウハウをe-ラーニングに応用すれば、大きな動機付けになり、楽しく意欲的に学習できるようになります。
コンピュータ・ゲームでは、次のような仕組みにより参加意欲を高めています。
一般利用者を対象したIT活用能力は、次の3段階に区分できます。
IT活用能力だけでなく、情報通信社会において必要とされる道徳やマナーを理解し遵守する教育が必要です。
利用部門の人がSNSやWebサイトに投稿する機会が増大してきました。誹謗・中傷、プライバシ侵害、反社会的発言をしないこと、セキュリティに関心を持つことなどの教育が重要になります。
IT適用分野が拡大し、システムの誤動作や脆弱性が人命や社会インフラに直接に影響するようになりました。IT技術者の育成にあたっては、職業倫理としての情報倫理を理解させることが重要です。
詳細:IT活用能力
ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語。ここでのハックとは、高度なプログラマのこと。
ソフトウェア開発分野のプログラマやグラフィックデザイナー、ユーザインタフェース設計者、プロジェクトマネージャらが、特定の目的の達成や課題の解決をテーマとして、短期集中的にアイディアを出し合い、ソフトウェアの開発などの共同作業を行うこと。
単に教育や社会的な目的を意図に開催することもあるし、チームを組んで成果を競い合うイベントとして開催することもあります。
IT技術者の育成や評価にあたっては、職種区分(対象人材)と、それに必要な知識経験の内容とレベルを明確にすることが必要です。しかも、個別企業に限定しない標準的な共通の物差しが求められます。
IT技術者の職種(業務)を分類して、必要なスキルを示した3基準があります。
共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF:)は、これらの3基準を包括的に再編成して、異なるIT業種を横断した各職種に求められるスキル・知識やレベルの異同を明確にして、
・IT人材の学習や成長の目標
・IT人材評価の標準化
・自社IT人材の育成計画
に役立てることを目的にしています。
共通キャリア・スキルフレームワークによりITSSなどがなくなるのではなく、ITSSの適用が適切な企業はITSSを使うことができます。逆に、企業内でIT部門やユーザ部門のIT技術者を流動的に育成したい場合などには、共通キャリア・スキルフレームワークを参照するのが適切です。
共通キャリア・スキルフレームワークは、3つの側面を示しています。
・タスクモデル(仕事の定義)機能や役割no
・人材モデル(役割分担の例示)職種や人材像の体系化
・スキルモデル(タスク人材像に求められる能力を定義)
共通キャリア・スキルフレームワークは、人材像ごとに経験やスキルにより7つのレベルにランクづけして、同一レベルなら他の類型でも同等の価値があるように、スキル内容を設定しています。
CCSFは2008年公表でしたが、2012年に追補版が公表されました。
セキュリティ関連の人材が重視されてきたこと、CCSFでの知識体系(BOK)が大幅な項目追加があったことなどがありますが、CCSFをもっと使いやすくするするためのツール提供が必要になったからです。
CCSFを使いやすくするための手段はCCSF増補版でも行われましたが、iCDではそれをさらに抜本的に行うもんです。IT人材および人材育成者が活用できる人材育成関連ツールとして位置づけられます。
企業においてITを利活用するビジネスに求められる業務(タスク)と、それを支えるIT人材の能力や素養(スキル)を「タスクディクショナリ」、「スキルディクショナリ」として、それぞれ辞書のように参照できる形で構成立てて体系化したものです。「タスクディクショナリ」は、タスク3階層と評価項目の計4階層、「スキルディクショナリ」はスキル3階層と知識項目の計4階層で構成されています。
iCDでは、CCSFに次の追加をしています。
セキュリティやクラウド、データサイエンスなど新時代のビジネスモデルに求められるタスクやスキル、、職種が新たに追加されました。
ITILやPMBOKなどの各種標準、CCSFの知識体系(BOK)との参照性を重視しています。
教育内容とスキル向上が具体的に結びつくことも目的にしています。
学生などを含むIT技術者個人に対しては、スキル向上における目標を明らかにすることができるように、具体的なスキルやスキルと仕事の関係を明らかにしています。
教育・研修サービス提供機関には、iCDで定義したスキルにもとづいた教育を提供できるような仕組みを提供しています。
スキルには、知識として持っていることと、実務に従事して得る経験があります。情報処理技術者試験は主に知識を判定するものです。例えば、高度情報技術者試験に合格すればレベル4に判定されますが、レベル5以上だと評価されるにはCCSFでのスキルレベルで評価することになります。
情報処理技術者試験の体系を、CCSFの人材モデルと対比して示します。
情報処理技術者試験のうち午前の出題範囲は、CCSFの知識体系に準拠しています。各試験について、知識体系の各項目からの出題数が表示されています(知識体系では具体的な出題内容を示すものではありませんから、知識体系そのものを理解すれば合格するのではありません)。
情報処理技術者試験 CCSF人材
高度情報技術者試験
ITストラテジスト試験(ST) ストラテジスト
システムアーキテクト試験(SA) システムアーキテクト
プロジェクトマネジャー試験(PM) プロジェクトマネジャー
ネットワークスペシャリスト試験(NW) (テクニカルスペシャリスト)
データベーススペシャリスト試験(DB) (テクニカルスペシャリスト)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
ITサービスマネジャー試験(SM) サービスマネジャー
システム監査技術者試験(AU)
応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験(FE)
(ITを利活用する者)
ITパスポート試験(IP)
情報処理安全確保支援士試験(SC)
クリエータ
エデュケーション