経営環境の変化や情報技術の発展に伴い。情報システムを抜本的に構築あるいは再編成する必要性や緊急性が増大してきました。
それには、まず現状の業務システムを的確に把握すること、それを関係者が共有するために可視化する必要があります。
プロセスマイニングとは、現行システムでのイベント発生の度に記録されるログを収集することで、業務プロセスを可視化・分析する技術です。
プロセスマイニングを用いて。業務プロセスを可視化し、改善点を特定するには、およそ次のステップになります。
① イベントログの収集
② 業務プロセスフローの可視化
③ 対策業務プロセスの優先順位付け
④ PDCAによる継続的改善
現システムで蓄積されるトランザクションデータ(データの追加/更新/削除の履歴)をプロセスマイニングが扱うデータ形式であるイベントログに変換します。
イベントログは、状況により異なりますが通常次の情報を含みます。
いつ 操作日時 2024/07/10 09:30
誰が 操作者 井上太郎
何を 操作機能 見積業務
どうした 操作内容 見積書作成
トランザクションデータをイベントログに変換するには、著名なERPパッケージを用いたシステムでは、そのためのツールが提供されています。
プロセスグラフとは全体の業務フローをチャート形式でわかりやすく可視化したものです。個々のプロセスがどんな順番で発生しているのか、どれくらい時間がかかっているのか、イレギュラーなプロセスの有無などを瞬時に把握できます。
適合性チェック(コンフォーマンスチェック)とは、現状と理想を比較して合致や乖離を分析することです。ロセスマイニングツールには適合性チェック機能が搭載されているものもあり、理想のプロセスを実行するために必要な処理を自動で通知したり、最も時間がかかっている箇所やエラーが発生している箇所などを影響度が高い順に表示したりといったことが可能です。
説明の必要はないでしょう。
業務プロセスを可視化するには、従来は各業務担当者へのヒアリングが主でした。そのため時間がかかるし客観的に欠け、しかも務全体を正しく網羅的に捉えることは難しいなどの欠点がありました。
プロセスマイニングではイベントログを活用することで業務プロセスを抜け漏れなく整理し、可視化にかかる時間を大きく短縮できます。
対象業務の決定では、適合性チェック機能を用いることにより、現実と理想の数値的対比ができるので、関係者での共通認識が得やすくなります。