情報システムを構築・運用するのに要する総費用のことをTCO(Total Cost of Ownership)といいます。
レガシーシステムに比べてオープンシステムは、ハードウェアやソフトウェアは安価ですが、その管理や普及のための人件費など、直接には見えない費用がかかります。特に利用部門でのシステム管理や相互助力などに要する人件費が大きく、その把握も困難です。オープンシステムでのTCOは、パソコンを購入するときの費用の数倍にもなるといわれています。
そのため、TCOを削減することが求められますが、次のように、イントラネットにすることにより、TCOを削減することができます。
- 通信コストの削減
- 従来は、遠距離の事業所間や企業間での高速通信には、専用回線が用いられていましたが、かなり高価なものでした。それに対して、インターネットではプロバイダ費用と市内回線費用だけで済むため安価です。しかも、ブロードバンド(高速通信回線)の料金が急速に低下しました。
- ハードウェア・ソフトウェア価格の削減
- 従来は、クライアントに多様なソフトウェアを載せたり、多様なデータを保管したりすることが必要でした。そのために高性能なパソコンが要求されてきました。それに対して、イントラネットでは、Webブラウザ以外のソフトウェアは不要です。また、データをサーバ側に置くことによって、ディスクも不要になります。このようなパソコンをシンクライアントといいます。これにより、ハードウェア・ソフトウェア費用を削減できます。
しかし、通常のパソコン価格が急速に低下したこと、シンクライアント用のワープロソフトや表計算ソフトなどが、期待したほどには普及しなかったことなどにより、実際には、あまり普及しませんでした。ところが最近は、後述のセキュリティ対策の観点から、あらためて注目されています。
- ソフトウェア管理コストの削減
- パソコンの台数が多いと、どのパソコンにどのソフトウェアがあるのかを管理することが困難です。また、ソフトウェアはバージョンアップが行われますが、新旧のバージョン間でのデータの互換性が十分にできないため、短期間で多くのパソコンのバージョンアップを行なう必要がありますが、これもパソコン台数が多いと困難です。
クライアントにブラウザ以外のソフトウェアが不要となることは、特に多数のパソコンを持っている企業において効果的です。
- 教育コストの削減
- イントラネットでは、基本的な操作方法がブラウザだけになります。利用者はすでにブラウザの操作方法は熟知しています。利用者にアプリケーションの説明をするとき、業務に関係した事項だけを説明すればよく、操作方法まで説明する必要がありません。
- セキュリティ管理コストの削減
- クライアントのディスクに勝手にデータやソフトウェアを入れると、ソフトウェア管理が複雑になるだけでなく、ウイルスに感染する危険があります。また、USBメモリ、CD-R、DVDなどの取り外しのできる記憶装置を持たないことにより、重要な情報が社外に持ち出される危険が少なくなります。
このようなセキュリティ対策を目的としたシンクライアントをセキュアクライアントといいます。なお、セキュアクライアントには、セキュリティ対策のための多様な機能を搭載する必要があるため、通常のパソコンよりも高価になっています。