スタートページ主張・講演マーフィーの法則

Murphyology on Information Technology (vol.3) 2020s
改題:Murphyology by a retired it-engineer


お詫び・目次

vol.1vol.2を書いた当時は現役でしたが、現在はリタイアしており、IT関連の業務やグループから遠ざかってしまいました。そのため、vol.3 は極めて独断的なエッセイになっていることをお許しください。
また、完成してから公表すべきですが、老い先短いことも考慮して、逐次補充する方法にしました。これについてもお詫びします。

量子コンピュータに関するマーフィーの法則を発見するのは難しい。

IT実務から離れると、ITの技術やシステムの運用などの裏側(本質)は見えなくなる。
個人趣味でパソコンやインターネットで遊んでいる状態では、新しい情報技術に触れる機会がないし、あえて突っ込んで研究する必要もない。
法則に気付いても、査読(ツッコミ)をする仲間がいない。法則にまで発展できない。

社会から遠ざかると、社会を論じるようになる。

現役のころは、社内外の関係者との駆け引きや家庭サービスなど、いやでも関心を持たざるをえない分野が多かったが、リタイアしてそれらから解放された。また、経済的にも身体的にも外出するのが面倒になり趣味も限定される。
メディア(テレビ、新聞、インターネットなど)と過ごす時間が長くなる。これらのメディアが伝える情報は多様だが、時代に乗り遅れた高齢者にとって、比較的変化の緩やかで理解しやすい分野は社会分野である。
すなわち、社会の関する話題に限定される。

目次

IT関連

政治・社会一般


まずは老人のグチから

昔は同情、今は疑惑(IT従事者だった私を見る目)

若いころ、「情報部門です」というと「マジメなのね。でも残業や徹夜で大変ね」と同情してくれた。
リタイアした今、「ITをやっていました」というと、現在の私をみて、次の言葉が返ってくる。
 「ウソでしょ。スマホも使えないくせに」
 「ウソでしょ。アニメやゲームのセンスがあるとは思えない」
 「ウソでしょ。どうして高級マンションに住んでいないの?」
結局は、ITの落ちこぼれだったということで納得する。「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」にはなれないようだ。

ディプレイから消えると脳のメモリからも消去される。

ある用語をWeb検索してページを開く。次のページを開いた瞬間に前のページの内容を忘れる。
編集中のページも同様で、前後にロールした途端に、前の個所がわからなくなる。編集中のページを複数開き対象個所を表示して加筆すると、参照用に開いたページを加筆してしまう。

頼みの綱は介護ロボット

介護施設での老人虐待の話題が多い。介護関係者の労働環境を思うと同情するが、自分が虐待を受けるのは困る。
介護ロボットの話題も多い。介護作業だけでなく、話し相手になるなど癒し機能も持つという。ぜひ、介護ロボットが活躍する介護施設に入りたいが、庶民にとっては夢にすらならない。
将来、技術進歩や高齢者政策の充実により、ロボット配属の介護施設が増えることが期待される。
そのとき、ロボットに組み込まれたAIが、得意の効率性重視の観点から、ロボット不足やロボットの労働環境不備を解決するために、ロボットが、高齢者を放置したり、ベットに縛り付けたりするような行動にならなければよいが・・・。
若いうちにロボットを購入(または自作)して、自分に忠実で介護にも適したロボットに育成してこなかったことを後悔する日々である。


スマホ社会が怖い

多くのグチの対象はスマホだ。スマホなくしては生活できない環境になった。
スマホは高齢者の基本的人権を制限する。自らの人権擁護のために、万国の高齢者よ団結せよ!

スマホはスワイプで読む

「世の中、字が小さすぎて読めない!」(ハズキルーペ)。ピンチアウトすると、読むよりスワイプするのが主作業になる。

スマホメールは送信・受信で速度が違う。

トグル入力でクを入力するとケになってしまう。フルキ―入力だとキ・ク・ウのどれになるか不安定だ。「戻る」を押すと想定しない画面になる。15分かけてやっと入力すると、1分もしないうちで返事が来る。

スマホは記憶能力を強制する

スマホが使えない理由に、スマホがことさらに記憶を強要することである。
アイコンが多すぎ、吹き出しも出ないものが多い。私のような認知症予備軍にとって覚えられるはずがない。
デバイスデバイドの考慮すらしていない欠陥商品なのだ。

買物サイトのように、一連の操作を必要とするものもある。当然、途中でモタモタする。いじっている間に迷子になってしまう。パソコンのサイトと比べて、ページ移動が多いこと、画面が小さいのでナビ表示が不十分なことが原因だ。
多くの店舗がスマホでの決済をしており、QRコード化も進んでいる。お店で店員に操作を教わったが、翌日にまた教わる始末。そのうち、使わないほうが自分にも相手にも無難だと結論。
教わった手順をメモに書いておき、スマホケースに入れておくことも考えられる。しかし、いかに老人だとはいえ、手帳を見ながらスマホを操作するのは人目をはばかる。
これらの一連操作(決まっているデータ入力も含めて)登録できるジョブ管理機能(マクロ設定)を持たせることを切望する。

スマホを失うと人生も失う。

そのうちに、通貨はすべてデジタル化するだろう。マイカードや運転免許証などの身分証明、電子カルテなどの病歴記録など重要記録はすべてスマホだけに記録されるようになろう。スマホなしには生活できないのだ。
高齢者は忘れ物が多い。スマホが特殊詐欺の対象になる。通り魔に略奪されるかもしれない。しかも高齢者が短時間で多数の関係機関に紛失・盗難を連絡するのは困難だ。
クレジットカードのリスクと同様だが、1台のスマホに多数のクレジットカードを入れているので、全財産を失うリスクがある。
パスワードを用い、用途によりパスワードを使いわける必要があるが、私に覚えられるとは思えない。バイオメトリックで指紋を用いても、スマホ表面の指紋からコピーするのは容易である。虹彩もスマホに保存している写真から復元できるかもしれない。
この対処としては、スマホを肉体に埋め込むのが適切だが・・・。


AI談義:AIの基本は統計的手法

AIは、人間が与えたルールに従って判断するのではなく、AI自体が判断ルールを創出するのが特徴だという。人間では考えつかなかった独創的なルールを創出し、最適な方法を与えてくれるという。
AIでの典型的な技法はニューラルネットワークを用いた脳の模倣である。 家族の顔は容易に判別できるが、たまにしか合わない人の顔は忘れる。これは脳が頻度の多い事象に大きなウエイトをもつ回路を形成したからである。
AIも同様で、与えられた情報から同じ回路を通る事象に高いウエイトをおき判断することになる。すなわち、AIの判断の基本は統計的な処理なのである。

統計的方法を学ぶ以前に常識を磨け

昔は、多変量解析やクラスタリングなどの分析技法を学ぶ以前に、次の留意事項を叩き込まれた。
[用いるデータ]
・母集団を代表する標本を使え
  バスケット選手だけを調べても、男性成人の身長はわからない)
・同じ環境で採取せよ(異常値を使うな)
  ネコのデータの中にゾウのデータがあると、体重の平均を求めても意味がない。
  災害の影響を調べるのではない限り、平常時のデータと災害時のデータを混在させるな。
[結果の分析]
・信頼水準を重視せよ
  サイコロを3回なげて1の目が2回でたとしても、サイコロがイカサマだとは断定できない。
  自然科学分野では、95%あるいは99%の有意水準が適用される
・見かけの相関に騙されるな
 IT投資が盛んになると海外旅行者が増える?
 どちらもGDPのへの相関が高いことによる疑似相関であり、直接の関係はない、まして因果関係はない。

留意事項を無視すると・・・

(教師あり学習)

X国ではAIによる国家戦略策定を検討していた。AIの能力検討プロジェクトとして、馬と鹿の画像判別が取り上げられた。そのリーダになったAは、教師役の部下に「鹿を馬、馬を鹿だと教えよ」と強制した。ある日、Aは皇帝に、鹿を馬だとといって献じた。不審に思った皇帝はAIに献上品の写真を見せたところ、馬だと答えたので、皇帝も納得した。

なかには、鹿だと進言するBがおり、Bの意見もAIに与えた。それを分析したAIは「Bの意見には誤りが多い」と学習し、他の事案でもBの論理を無視した。その後、国家戦略の支柱となったAIでもBの主張が考慮されることはなかった。

AI担当大臣になったAは、隣国Yに異常な感情をもっていた。有史以来のXY関係の文献をAIに与え、YがXに友好的で貢献した事項は「誤」だとし、敵対的あるいは迫害した事項は「真」だと教育した。それによるAIは歴史認識AIとして、Y国の対X国外交の基本となっている。

(教師なし学習)

AIにトランプ大統領のツイッターだけを与えて、温暖化防止に適切な対策を求めるのは不適切である。

教師なし学習では、教師によるバイアスは制約されよう。しかし、いかにAIだとはいえ、無から有は得られない。学習する材料が必要だ。ところが、少なくとも現在では、AI自体が対象分野を認識して情報を収集する段階には至っていない。
人間が目的に効果的な情報をAIに与えて、そこからAIが多様な分析方法を用いて、自分でルールを作り出し、解を求めるのである。

中傷誹謗のフェイク記事は異常に拡散し成長をする。それを材料とするAIが私の身辺判断をしないように・・・。

結果の検討では・・・

AI解は神のお告げ?(AIは説明責任を持たない。)

家計調査などデータを長期的に収集したAIが「夫が出張先でラーメンをとる回数が多いと、妻がツイッターをするようになる」というルールを創出することもあろう。
ご当地ラーメンがブームになったことと、それとは全く関係のないSNSの普及が、たまたま時代が一致したからに過ぎないのだが。

AIが創出した判断ルールをトレースして、AIの判断理由を解析する「説明可能なAI」の必要性がいわれているが、まだ道遠しの段階である。

天候統計や企業統計のデータから、AIは「風が吹くと桶屋が儲かる」というルールを得るかもしれない。
それに対して、識者なる人たちは「風が吹くと埃が目に入り~」なる理論をでっちあげ、その理論がAIで証明されたと主張する。

ルール発見の支援

AIの利用目的には「従来想定していなかったようなルールがないか?」というデータマイニング的利用もある。
この場合には、[結果の分析]に反することも許される。見かけの相関かもしれないが、それをヒントに因果関係を研究する動機になる。しかし、あくまでも参考資料としての価値しかない。


AI談義:くたばれAI

明るい将来、暗い現実

子供のころ、科学技術(特にIT)の発展により「仕事をロボットに任せて、衣食住はタダになる。人間は芸術や娯楽を楽しめばよい」社会が到来すると信じていた。それがAIの能力が向上したら「仕事はAIに奪われ、多くの職種で人間に置き換わるシンギュラリティ社会」になるといわれるようになった。
「失職した人間は衣食住も欠乏する。ヒマしかない人間は夢を楽しめばよい」になる。その夢も楽しい夢どころか・・・。

勘定と感情

AI活用の成果は、効率やコストパフォーマンスの向上(勘定)にあるようだ。その評価尺度で発展するAIが支配する社会では、シンギュラリティの敗者はマイナス要因であるから排除するのが適切である。AI(ロボット)がやりだくない(故障発生リスクの高い)仕事を人間にやらせ、それもできない人間は・・・。
このような事態を予防するために、アシモフの「ロボット3原則」を、人類の絆(感情)を重視した「AI3原則」に発展させることを願う(すでに政府も検討しているようだが)。

人々は自主的にAIに隷属する。

対個人金融機関では、以前から個人情報を活用して信用度を数値化して、貸し付けの是非や利率の決定に利用していた。その時代では利用される個人情報も信用度の利用範囲も限定されていた。
ところが、中国アリババが展開する「芝麻信用」(信用ランク)は、Webを介して消費行動、交友関係、監視カメラを通して遵守行動など広範囲な情報を収集し、AIを活用した信用度を本人のスマホなどに表示するサービスを展開した。
ローンなどに用いるだけでなく、信用ランクを提示することにより、借室の是非やホテルの代金決定などに広く用いられ、就活や婚活にまで使われるようになってきた。
このような利用により、信用ランクを上げること、すなわちAIに喜ばれることが、重要なことになってきた。ランク算出ルールが適切であれば、「良識のある」行動するので民度が上がることになるが、AIに従う行動規範になる。
このAIが国家権力による意思により、収集する個人情報が拡大され、加工方法に影響するようになると、人々は権力者が示した模範行動を自主的に行うととになる。ジョージ・オーウェル「1984」のビッグブラザーの実現だ。

AIは趣味を奪う(人間は安易な手段に逆らえない)

花の写真を撮って、Webの花図鑑を右往左往して名前を調べるのは、面倒だが適当な暇つぶしになる。それがAIサイトに通信すれば安易に分かってしまう(「不能」でイライラすることもあるが)。その誘惑を避けるのは難しい。他の暇つぶし手段を探さなければならなくなる。
ヘボ将棋を囲み岡目八目でワイワイやるのは邪魔だが楽しいものだ。そのとき、スマホアプリを見る奴がいると、一瞬に場が白ける。

便器を続けて購入するのは稀である。

先日、ネットで便器を購入した。その後数週間ほど、私のWeb閲覧ページは便器の広告で満ち溢れた。
これもAIの仕業だろうが、「通常の家庭では多数のトイレはない」というルールを学習していないようだ。
こんなバカなマーケティングやするようなサイトで誰が買い物をするものか。せっかくの個人情報だ。もっとマトモに活用してくれ。


PCあれこれ

高校野球と情報家電は出自を問うな。

甲子園や選抜での有名校の選手は、大部分は他府県の出身で「近所のお兄ちゃん」ではない。パソコンやディスプレイは、ブランド名は国内企業のものであっても、実質的には中国など海外製品である。添付マニュアルすら、日本語は片隅に追いやられており、ヘルプデスクも外国人が応対するようでは、愛着が持てないのも仕方がない。
しかしそれは偏狭的な考えだ。2019ラグビーワールドカップでの日本代表は多数の海外出身者で構成されていたが、OneTeamとして日の丸を胸に善戦した。サポータも分け隔てなく応援し、対戦相手の好プレーには拍手を送った。
どこの製品かではなく、その製品の品質向上に日本企業がいかに貢献しているかを理解して、愛国心も満足させつつ使おうではないか(ご立派!)。

メーカーへのお願い

PCは持ち歩くとは限らない。

高齢者は自宅で使うのが一般的だし、何よりもサイズの大きなディスプレイが重要だ。この環境では本体のサイズは、あまり気にならない。部品の追加や変更が容易なタワー型のほうがむしろ望ましい。
ところが、もはやPCの主流はノート型であり、デスクトップは「その他」に追いやられている。このデスクトップを買い替えるときはどうすればよいのだろう。

PCは映画やゲーム以外にも使う。

近年のハードウェアは、GPUの高品質化などディスプレイ表示を重視した発展が多い。OSもそれに応じた機能向上を重点にしている。
また、オンデマンド放送やリアルタイム配信などのコンテンツも充実してきた。おそらく近いうちにテレビ受信機は、インターネット+PCに移行するだろう。
テレビ受信機がなくなっても、放映受信用と従来型のPC利用の二つが必要になる。そのとき、従来型利用PCまでもがディスプレイ重視の仕様だけになり、価格アップになりそうだ。用途に応じた多様な選択ができるように・・・

周辺機器

逆ショートカットキー

ベテランにとって、マウスを使わずキーボードだけで操作できるショートカットキーは便利なものだ。逆に、1本の指だけでキー入力している層にとっては、マウスから手を放さずにキーボード操作ができるほうがありがたい。
右クリックでキーボードをディスプレイに表示させマウスで操作することになるが、二つのキーを同時に押す操作はどうするのだろう?

インクを買うか、プリンタを買うか。

インクは高価格のままだが、並級のプリンタの価格は低下しており、通常はインクが1セットついてくる。並級のプリンタは、短期間で紙送りやヘッド摩耗などの劣化が進む。
インク追加購入回数を変数とした最適プリンタ買替時期の計算は、ORの取換モデルの例題として適している。

USBケーブルのタコ足配線

周辺機器との有線接続はUSBに統一された感がある。パスパワーできる周辺機器も増えていたので、昔のような電力線のタコ足配線が不要になった。
ところがUSBコネクタは速度レベルやコネクタ形状の変化が激しい。新周辺機器を買い替えるたびに形状が変わっている。異なる形状のコネクタを相互接続するハブが必要となり、各機器ごとにカスケード接続するため、パソコンまわりが蜘蛛の巣になる。
やはり無線接続にするか?

Webブラウザ

セキュリティを高めると地図が表示されない?

Webブラウザでのセキュリティ対策として、Javascriptを無効にする指定が推奨されている。一方、地図はCanvasにJavascriptを用いて表示するのが一般的である。

Webページの作成には多種のブラウザを同時に開くことになる(Webブラウザの相互補完性)

私は、自分のPCでローカル環境でWebページを作成し、完成したらインターネット上のWebサーバに転送して公開している。その環境では、ブラウザにより機能があったりなかったりする。
ブラウザ内から他のブラウザに切り替える右クリック機能があると便利だ。

案外面倒:文字コードと拡張子

文字コードは、WindowsではANSIが標準になっているが、HTMLファイルでは、相互参照をするにはUTF-8が標準になっている。
メモ帳(ANSI)でソースコードで作成し、UTF-8に変換して保存する。
配列をExcelファイルに作成。csvファイルに変換し、更にJS形式ファイルにするときは、csvファイルはANSIだがJS形式ファイルはUTF-8に変換する必要がある。
JPEGファイルの拡張子は JPEG, JPG, jpg などがあり、Windowsではどの拡張子でも同じとみなされる。それに対して、HTMLでの指定では、これらは別なものであり、一致しないと表示されない。
Webページを開いただけでは、対象のJSファイルや画像ファイルが存在しないときの標準処理(何もしない)になるので、気づかずにソースコードをひねくり回すことが多い。

その他

デジタル写真はトリミングを前提にせよ。

スマホの高解像度化が進んでいる。通常は1MB~2MBだが4MB程度のモードにすることができる。デジカメならコンパクトでも5M以上で撮影するのが通常だ。
高品質(300dpi)でのプリント目的なら、L版で1.5MB、ハガキで2MB必要だが、通常品質ならその1/2~1/3で十分だ。ディスプレイ表示が目的なら、640x480ピクセルのサイズで0.3MBでよい。すなわち、多くの場合は、圧縮して保存してよい。
無理して接写するよりも、その部分だけをトリミングするほうが、単純圧縮よりも適切だろう。


IT用語

IT用語は普及するに伴い定義はあいまいになる。

AIがブームになると、AI固有の機械学習を用いない(用いる必要のない)ITシステムも「AI」を冠するようになる。

IT用語は、同義であっても、用語として発展する。

これはいつの時代でも、必ず取り上げられるテーマである。新しい用語(概念)が出現した当初は、あえて旧用語との違いを喧伝する。しかし、その違いは部分的なもので、新用語の説明の大部分は旧用語と同じだということがわかる。それとともに、旧用語の概念のものまで、新用語を使うようになり、なかには数世代前の概念さえ新用語を名乗るようになる。

IT用語の誇大表現

昔の用語のほうが実態にマッチしていることもある。旧用語で誇大な表現をしたために、それが実現できるようになったときに適切な用語がつけられない。

妖語集

5G

軍体系の第5世代。陸軍、海軍、空軍、宇宙軍に続くサイバー軍のこと。インターネットを利用した軍事施設破壊、社会・経済インフラ攻撃、政権選択時のフェイク情報発信など、平時における攻撃手段として重視されている。そのため、各国は5G技術の優位性確保に躍起となっている。
特に中国は、一帯一路戦略として、極東から欧州にまたがる軍事拠点とそれをつなぐ供給路を建設中で、5Gはそれらを統率するサイバーネットワークの任務をもつ。この面で出遅れた米国との間で覇権争いが激化している。

G5

G5とは、先進五カ国財務大臣・中央銀行総裁会議のこと。1990年代、日・米・英・西独で結成されたが、その後、参加や脱退が繰り返されてきた。
2020年頃、米中対立による世界経済の低迷を打開すべく5G開催が検討され茶が、米国は他国による規制を嫌って不参加。代わってロシアが参加した。
折しも新型コロナウイルスの猛威により、一堂に会することができず、オンラインでの会合をすることになったが、そのネットワーク基盤の5Gでどの技術を採用するかで紛糾、実現されなかった。

GAFA→GAHA

GAFAとはGoogle、Apple、Facebook、Amazonの米国4社。サイバースペース支配を狙う企業として、欧州を中心として規制強化に乗り出したが米国の自国企業保護戦略との対立を招き、NATOの費用分担の再検討にまで発展した。
その間にこの分野で中国が躍進した。米中はITを国家戦略の重点にしており競争が激化した。
GAHAとは、米国のGoogle、Apple、Amazon(GA)と、中国のHuaweiとAlibaba(HA)のこと。これらの企業は両国の国家戦略の先兵であり、両国は相手企業の締め出しに躍起となっている。

Wi-Fi X

無線LANのWi-Fiの規格名は、IEEE802.11n や IEEE802.11ac などがあるが、新規格 IEEE802.11ax の発表に伴い、この規格の通称を Wi-Fi 6 とした(IEEE802.11n は Wi-Fi 4、IEEE802.11ac は Wi-Fi 5)。
Wi-Fiアライアンスが、n、ac、ax などの記号を考えるのが面倒臭くなったこともあるが、n、ac、ax では新旧の関係がわからない。「まだ第4世代を使っているのですか」のように、新規格製品購入促進のためだといわれている。

オープンデータ

主として中央官庁などが持つデータをオープン化すること。
政策の策定や実行での決定に関する記録、公金の使途記録などの透明性は、説明責任を果たすための基本であるのに、政権に都合の悪い記録は、野党の追及にたいして「記録がない」「あったが廃棄した」を繰り返すのが常だ。
このような状況を打開すべく、情報公開の強化(データのオープン化)を訴える運動が広まった。

格子暗号

現行の暗号方式は巨大数の素因数分解の計算量が非常に大きいことをベースにしているが、量子コンピュータの進歩により無力になるといわれる。
それに代わるものとして、超多次元(n=1000程度)の格子空間において、原点からのn次元ベクトルを与え、原点に最も近い格子点を解読の鍵とする方法が注目されている。
解読にはn次元の情報(10300)を記憶する必要があるが、そのような巨大容量の記憶媒体は開発不能であることから安全だといわれている。

スマート

本来の意味から離れて、スマートフォン、スマートシティ、スマートスピーカーのように、「ITを使った」という意味で使われている。
「スマートな人」とは、すらりとした美人ではなく、アンドロイド型ロボットのことなので誤解をしないように。

デジタルマネー(中央銀行発行)

ビットコインなど、各国中央銀行によらない仮想通貨が急速に広まった。これに対抗するために、中央銀行が法定通貨と結びつけたデジタル通貨を発行すること。その主目的には次のような事情がある。
 ・紙幣や硬貨の発行・廃棄に関するコストの削減
 ・行政のマネー移動記録分析による、国民の経済活動の把握。脱税防止、国民監視体制確立
 ・市中銀行のマネー取引所への進出による体質強化

ビッグデータ

気象予測、交通状況、災害対策などには、大量のデータ(ビッグデータ)を収集して多様な分析をすることが効果的である。
大量データを高速にアクセスし高速に処理するために、5Gや量子コンピュータなどの整備が重視されている。

メガネ型ウエアブル端末

VR(バーチャルリアリティ)では、従来ゴーグル形状のものが使われていたが、それを通常のメガネの形状にしたもの。
通常のメガネとしても使えるが、VRも見ることができるし、スマホと連動して、その画像を見ることもできる。耳の部分にイヤホンを付けることも可能。
「ながらスマホ」が危険だとされ、規制が厳しくなった。このメガネならば、外見ではわからないので、自由に「ながらネガネ」ができる。両手が自由なので運転中も使える。試験のカンニングにも適切。
向き合って話をしている相手が、実はVRを見ているのかもしれないと思うと不気味ですな。


パソコンを教わる、教える

教わる

すべては購入者の自己責任

リタイアして相談仲間を失ったのは、パソコン黎明期に身近に経験者がいなかったときと似た環境だ。
当時の量販店の店員はマニアに近い存在で、これらが辟易するほど蘊蓄を傾けてくれた。購入後も互いに情報交換するような同志的関係すら生まれた。
現在の店員は、価格交渉係以外の何者でもない。質問をすれば箱の裏側を読み出すが、その意味さえ理解していない。それ以上聞くとメーカーに問い合わせますといって長時間待たされるが、質問の内容を理解していないので、返ってくるのは質問とは無関係な内容。
たまに、メーカーコーナーでメーカーの説明者がいることもあるが、セールストーク以外のことは知らない。

なんとかならないかコールセンター

・電話はつながらない。長時間待たされる。
・仕様書以外の解答は得られない。こちらはすでに読んでいる。
・遠隔操作で試行してくれることもあるが、それも事前にやってみたことだけだ。
・結果として「初期状態に戻しましょう」が決まり文句。それをしたくないから電話したのに・・・
あえて「抑揚の正しい日本語で話せ」とはいわないが、なんとかならないものか

教える

公民館での初心者(高齢者)対象のパソコン教室にボランティアで参加したときのカルチャーショック

文字入力方法はスマホに学べ。

通常のキーボードでローマ字変換をするのは壁が高い。促音や拗音は一覧表が必要だ。
qwerty配列で文字を探すのが大変なだけでなく、ローマ字の綴りを忘れ一覧表を探すの繰り返しになる。
これに比べれば、スマホの入力がいかに容易かを納得した。

社会的セキュリティホール

パソコン持ち込みでの相談コーナーでは、最初にウイルス検査を行うことにしている。
「まずウイルス検査をしましょう。」「先日インフルエンザの予防接種をしたけれど?」
これほど極端ではないせよ、購入時のアンチウイルスソフトがそのままで更新されていないパソコンが大部分だ。
このパソコンがインターネット接続をしているのかと思うと背筋が寒くなる。

画像高度加工要求は経験度に反比例する。

最も人気のあるテーマは年賀状作成だ。宛名書きでは受身だったのが裏面デザインになると一変して質問が頻出する。しかも、形状を干支の輪郭にしたい。バックをグラジュエーションにしたいなど、完全に講師の経験や技量を超えているものが多い。
昔、ワープロからパソコンに移行したとき、利用者の罫線への異常関心に「罫線は非行の始まり」と嘆いたのを思い出す。

的確な状況説明をするのは難しい。

受付で「映画を見たい」との相談があり、オンデマンド通信に経験がある(ありそうな)講師に回された。おそるおそる聞くと、長い問答の末、結論は「近所の映画館はネットで割引クーポンを出しているが、そのURLがわからない」ことだった。
自分もコールセンターや病院などで同じことをしているのではないかと自戒した次第。


政権腐敗論

「社会から遠ざかると、社会を論じるようになる。」がこうじて、もはやITに関する話題が見つからない状況になった。
一般に高齢者は、毎日が退屈で身体的な苦痛をもつ。それを自己責任ではないと逃避するために被害者意識をもつ。
さすがに、家族や知人など近くの特定個人を対象にするのは問題が多い。自分とは最も遠い存在である政治のせいだとするのが最も安全だ。
「資本主義・民主主義社会では政権は必然的に腐敗する」ことは、昔から指摘されてきたことである。
それを自分なりの表現にしてみた。

なぜ多くの首相は無能なのか

政界を志す者は国民を代表していない。

権力への欲求は、高等生物での本能である「支配力要求」を満足する。
マズローの欲求5段階説の最終段階「自己実現欲求」を実現するには、政界はは適した分野である。
 (なかには「金儲けのため」に政界を目指す者もいようが、国会議員としては失格者であろう。)
「自己実現欲求」の段階に達しているのは、現在の社会構造での少数派の「勝ち組」である。

公平な社会では、能力に応じて昇進し、能力以上の地位に昇進して無能となる(ピーターの法則)。

政党内で副大臣、大臣、幹事長、首相の階段を上るが、副大臣としては有能であっても、大臣としては無能だと判明すると、大臣が最終ポストになり、それ以上の昇進は得られない。
首相になっても無能レベルにならない有能な者もいようが、かなり稀であろう。
政権与党が人材不足な場合、前の段階で既に無能レベルに達している者から首相を選ぶことになる。それでスーパー無能首相が出現することになる。

昇進するに伴い、初心の自己欲求の実現は困難になる。

昇進するとは、より多くの人を代表することである。首相になった頃には、政党や支援団体など多様な組織を代表している。
それらの支持者の意見を尊重するのは当然であり、自説を抑える必要があるし、放棄してしまうこともある。
また、支持者が多様化するに伴い、意見も多様になり矛盾する意見もある。それを無能なレベルで調整するのだから、支離滅裂な政策になるのはやむを得ない。

なぜ政権は無能になるのか

政権を得ると、政権の維持が最大目的になる。

自己実現欲求、支配力要求を発展させるには、次の選挙で自分が当選すること、自党が多くの議席を確保すること、自党内での自派閥の増加が不可欠である。
また、政権維持は、支持者層全体の要望であり、それを実現する任務がある。
選挙で勝つには、多数の有権者が賛成することを政策にするのが当然であり、大衆迎合主義にならざるを得ない。

「明日の百より今日の五十」

政権の基本的任務は、将来にわたって国家の安全・発展、国民の幸福などの戦略を示し、その道筋として当面の政策を実行することにあり、そのためには「今日の五十」をある程度犠牲にすることも必要である。それを国民に訴えることが政権の任務である
政権の任命責任は、有権者である国民にある。国民の大多数は、国家百年の計はよりも今の問題を重視する。
これは民度が低いというより、行動科学の示す行動原理であり、個人主義の普及度、政治への不信度が高いほど、この傾向が強くなるといわれている。
選挙が近くなると「バラマキ政策」が頻出するのは必然である。

(蛇足)高年齢者と投票率

余命いくばくもない高齢者に、国の将来への責任を追及することはできない。
高齢者には、明日がないのだから「明日の百より今日の五十」を求めるのは当然である。
高齢者の投票率が高いことは、健全な政権選択の観点からいかがなものか。

公約は膏薬、簡単に剥がせる。

選挙にあたり、候補者や政党が掲げる公約を信用すれば、誰が当選しても、素晴らしい社会になると期待できる。
ところが、公約の内容は、候補者や政党が実現する政策ではなく、有権者に受けると忖度した事項である。
その公約ですら、財源確保などの実現可能性は示されない。

(蛇足)単一争点選挙

なかにはマジメな公約もある。昔、小泉政権は「郵政民営化」など争点を一つに絞る戦略を展開した。
当選すると、確かに郵政民営化は実現した。それとともに、「すべての政策に国民の信任を得た」として、自衛隊の海外派兵を強行採決した。海外派兵の是非を選挙の争点したらどのような結果になっただろう。
近年は、「NHKをぶっ潰せ」(日本)「電子タバコ解禁」(米国)など、それが国政の重要政策とは思えないものを単一争点とする候補者も出現した。

政策よりも知名度

政党にとって最大の関心は自党候補者の当選である。どうせ公約などは政党も有権者も無視しているのだから、それ以外の要素が重要であり、適切なのは候補者の知名度である。それでタレント候補が出現する。
知名度が高くても「自己実現欲求」の段階に達しているとは限らない。
当選した時点で国会議員として既に無能レベルになっているのだから、国政に寄与する活動は期待できないし、その立場を私利私欲に利用したとしても致し方ない。

団結のためには外部の敵を作れ。

戦時には、勝利することが最大目的であるから、軍の最高指揮官である現首相・現大統領の支持率が上がる。支持率の下がった政権は、仮想敵国を作り、敵国から守るために国民の団結を訴える。
さすがに軍事的敵国を作るのは危険性が高い。そのため、貿易収支、文化の違い、昔の被害などを問題にするのが適切である。

なぜ長期政権は腐敗するのか

選挙にはカネがかかる。そのために、政党、派閥、候補者はカネを欲しがり、腐敗が進む。
腐敗には、賄賂、政治活動費の不正利用、不正選挙運動など非合法的なものが多いが、それ自体が無能レベルに達しているのだから、ここでは対象にしない。

お世話になった人にはお礼をしよう。

政権は、多くの支持者の支援で、政権を維持できている。それらの支持者が有利になる政策をとるのは当然だ。
しかし、支持者層が国民大多数を代表しているとはいえない。

メンバが増えれば無能者も増大する。

長期政権になると、派閥間調整のために大臣や要職の交代が必要になる。大政党とはいえ、有能な議員は少なく、多くの新大臣や新要職は就任した時点で既に無能レベルに達している。
そのため、不適切な発言をしたり、収賄をしたりする(した)者が任命される。
首相は、任命責任を問われるので、無能者をカバーしようとして、ますます説明責任があいまいになる。

上司の命令で動くのは無能部下。上司の意図を理解して率先して動くのが有能部下。

「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」のだから、業務遂行に当たっては不偏不党でなければならない。政権が代われば大臣が代わるが、実質的・継続的な仕事は、官僚によってなされるので行政の継続性が保たれる(ことになっている)。
長期政権が続くと、官僚は、その地位による権力は現政権下で得たものであり、政権に忠実なことが地位向上に直結する。
これが「忖度」を生み、行政の公平性が崩れる。

都合の悪いものはなかったことにせよ。

官僚の忖度が日常化するすると、政権に都合が悪い文書は(公文書保管規程には合致していたとしても)極力秘密あるいは破棄するようになる。それが高じると公文書の改ざんにすら発展する。
その「忖度」を政権が(陽か陰かはさておき)指示したとなると大問題に発展する。
野党としては、与党の信用低下に適切な材料であるから、徹底的に追及する。その結果、重要法案の審議はなされず、与党は強行採決に持ち込み、野党はそれを攻撃材料にする。国会は空転する。

心のたるみは口に出る。

国会議員(特に与党議員)が、選挙区の会合などで不適切な発言をしたことが問題になることが多い。
本音だとすれば、既に議員として無能なのだから、辞職するのが当然だろう。
ジョークのつもりかもしれないが、議員としての自覚がないとされる。このような自覚のなさは緊張感がないからであり、長期政権なので次回の選挙でも当選確実だというおごりである。
それにしても、ジョークのセンスがない。海外の例を見ると、あまりにも後進国だ。初等教育の再検討を望む。

なぜ安定した二大政党が実現しないのか

政権交代の可能性があれば、政権の緊張感が維持され、内閣や与党の要職任命、有能人材の育成、政策の透明化や説明責任などが重視されよう。
それには、いつでも政権を担える健全な野党が存在する二大政党の構造が適切だ。なぜ、そのような野党が育たないのだろう?

パレートの法則

第1党が1/2を占めれば、第2党は1/4、第3党は1/8というように、社会や経済での構成は対数的な分布になるのが自然である。

一致よりも差異のほうが認識しやすい。

自然科学でも、AとBの差異の証明では1例を示せばよいのに対して、一致の証明は面倒である。
統一するには、主要政策での一致が原則である。それが異なれば政権を得ても政策そのものが示されず、すぐに分裂してしまう。
政策一致の可能性があるにせよ、その詳細や実現手段には多様な選択肢があり、それを調整しようとすると、かえって差異の対立点が表面化する。
これは与党内でも同じであるが、政権党に所属する利益が対立よりも妥協を選んでいるのだ。

鶏頭牛尾

小さい党でも党首は最高の地位であり、党内で大きな権力をもつ。小さい党ほど人材がいないので、党首の権力は大きい。
統一すると、党首としての権力を失う。統一による政権交代の可能性が大でなければ、失うもののほうが大きい。

洞ヶ峠こそ弱小勢力の最良戦略

与党の政策に影響を与えるのは(野党第1党ではなく)、一定の規模をもつ小党である。
与党が政策を進めるには、国会で1/2(あるいは2/3)の議席を確保する必要があるが、健全な政権交代が行われる環境では、わずかに足りないのが自然である。
そのためには小野党と協力体制を組むことになる。小野党は政策協力交渉において、多大な条件を要求することができる。逆に、野党第1党も与党政策を阻止するために、小野党の政策協力を図る。
すなわち、小野党が自党の政策を実現する最大の戦略は、与野党所属をあいまいにすることである。与野党政策とは無関係な単一争点を掲げる小野党は、このプロセスにおいて、その公約を実現できる。

(蛇足)野党よりも公明党

多数派工作として、連立内閣がある。連立党から一部の大臣が任命される。
立法権は建前では国会にあるが、現実には大部分の法律案は内閣提出案であり、国会は与党が過半数を占める。
そのため、閣議決定がそのまま法律になることが多いが、閣議決定では全会一致が前提だから、連立党との事前合意が必要になる。この合意プロセスが、実質的な法律審議だといえる。
消費税軽減税率や憲法改正など、実質的に自民党に影響を与えている(いた)のは、野党ではなく公明党だろう。

二大政党の危険

日照りと豪雨の繰り返しでは作物は育たない。

無能な新政権には実行できる新政策がない。それよりも旧政権の政策を、その是非ではなく、全面的に否定するほうが容易だ。なかには、条約や国際協定まで破棄することになり、国際的信用さえ失う。
消費税を上げたり下げたり、バラマキの対象を変更したり、建設中の公共事業を停止して取り壊したりしたのでは、経済が不安定になり深刻な政治不信に陥る。
政権が交代すると中央官庁の要職をすべて改任するので、上級官僚は現政権の長期維持のために必死になる。

過度な対立を和らげるには、野党に影の内閣を作り、大臣間で情報交換や政策調整の場を設けるのが適切かもしれない。でも「なれ合い与野党」になるのはもっと危険である。

攻撃こそ最大の防御

二大政党では競争相手が明確である。
自党の国家戦略や政策の妥当性を説明するよりも、他党の欠点を暴くネガティブキャンペーンを展開するほうが簡単だし効果的だ。
それが進むとフェイクニュース合戦になる。

情報の発信が多様化すると、情報の受信は偏向化する。

政策に関する情報発信は、従来はテレビや新聞などに限定されていたが、現在はSNSなどにより誰でも発信者になれる。
健全な発信であれば民主主義の基盤になるが、政党支持者あるいは掲載広告収入を期待した者によるフェイクニュースも横行する。
A党の支持者は、A党を賛美しB党を誹謗する情報しか見なくなる。その情報のみが真実であり、B党支持あるいは中立の情報はすべてフェイクだと否定する。B党支持者も同様である。
これが進むと、国民の分断が発生する。

無政党支持層が二大政党制を救う。

特定政党一辺倒な対立を救うのが、「支持政党なし」の層である。この層は「政治への意識が低い」「日和見的だ」とされ、大衆迎合主義の温床だと指弾されることもあるが、両政党の主張を客観的に理解しフェイクに惑わされない健全な層だといえる。