オープン環境では,多数のパソコンがLANで接続されています。その代表的な形態を示します。
- ピアツーピア
- 2台のパソコンが互いに直結している形態と,数台のパソコンがハブを介して接続している形態があります。
互いのパソコンは対等であり,一方のパソコンから他方のパソコンにデータを転送したり,互いのパソコンのソフトやデータを操作したりできます。小規模のLANに向いています。
- クライアントサーバシステム(CSS)
- 利用者が用いるパソコンをクライアントといい,クライアントの要求により処理を行うパソコンをサーバといいます。サーバには,プリントサーバ,Webサーバ,メールサーバなど多様なものがあります。最も広く普及している形態です。
- 3層構造
- 情報処理は次の3機能に区分することができます。
- プレゼンテーション
- 操作者とコンピュータの接点。命令やデータの入力や結果の表示の機能。
- ファンクション
- 実際の処理。アプリケーションプログラムなどの実行機能。
- データ
- ファンクションの実行に必要なデータの保管機能。
CSSでは,プレゼンテーションはクライアントの機能ですが,ファンクションやデータは,クライアントでもサーバでも機能を持つことがあり,その境界はあいまいでした。いうなれば,2層構造でした。
それを3層化することにより,サーバ構成の変更が容易にできること,クライアントにはブラウザだけがあればよいことなど,多くの利点があり,大規模なシステムでは,これを採用する傾向があります。
1990年代中頃から,インターネットが急激な普及・発展をしました。インターネットの技術(TCP/IPとWebブラウザ)を社内LAN環境に利用した形態をイントラネットといいますが,現在のLANはほとんどその形態になっています。
インターネット/イントラネットによるシステム形態の主な変化を列挙します。
- シンクライアント
- 一般のパソコンには,いろいろなソフトウェアが搭載されていますし,ディスクには多様なデータが入っています。また,DVDやUSBスティックなど取り外しのできる媒体の記憶装置があります。このようなクライアントをファット(fat:太ったの意味)クライアントといいます。
ところが,3層構造やイントラネットを進めれば,ファンクションやデータはすべてサーバに置き,クライアントにはプレゼンテーションとしてのWebブラウザだけを置けばよいことになります。このようなクライアントをシン(thin:痩せたの意味)クライアントといいます。シンクライアントにすることにより,
・付属ハードウェアや多様なソフトウェアが不要になり,購入コストが低下する。
(逆にサーバでのディスクの増加や管理ソフトウェアのコストは増大する)
・ソフトウェアのバージョンアップなどの管理コストが低下する。
・データがサーバに置かれるので情報共有がしやすい。
・データの不正持ち出しや外部記憶装置からのウイルス侵入が防げる。
・パソコンの盗難,紛失などでの秘密漏洩が防げる。
などの利点があります。最近ではセキュリティ対策を目的としたシンクライアントが重視されており,それに必要な機能を加えたものをセキュア(secure:安全な)クライアントといいます。
- リッチクライアント
- リッチクライアント(Rich Client)には,未だ統一された定義はないのですが,単純にいえば,ファットクライアントとシンクライアントとの「いいとこどり」をしたような形態です。 リッチクライアントでは,パソコンで処理できることは,サーバに接続しなくてもクライアント側で処理できるようにします。それにより,パソコンで作るのと同様なきめの細かい画面にしたり,優れた操作性を持たせることができます。また,ネットワーク接続は必要なときだけ行い,常時はパソコン内部での処理になるので,処理速度もWebクライアントより高速になります。Web2.0の動向と一致しており,今後の動きが注目されています。
- 携帯電話
- インターネットの普及により,情報機器として注目されているのが携帯電話の高機能化です。社会での一般的な利用以外に,企業では携帯電話から利用する自社のWebサイトでのシステムを構築したり,携帯電話に固有のシステムを組み込むことにより,携帯パソコンと同等な利用が簡便にできるようにしています。