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SIS(戦略的情報システム)

キーワード

SISの概要、アメリカン航空の例、経営におけるITの位置づけ


SISの概要

1980年代になると、企業戦略に「競争」の概念が取り入れられるようになりました。それにともない、競争優位を確立する(他社との競争で自社が有利な状況にする)ために、戦略的に情報システムを活用することが注目されるようになりました。従来、情報システムは経営者・管理者・担当者などの業務を支援することが目的だとされてきました。それに対して、座席予約システムやオンライン受注システムなどでは、情報システムそのものが企業戦略の実現のために利用されます。このような概念をSIS(Strategic Information System:戦略的情報システム)といいます。

アメリカン航空の座席予約システム

初期のSISの有名な例に、アメリカン航空(AA)の座席予約システムがあります。以前からAA社内では、オンラインによる座席予約システムがあったのですが、旅行代理店では、店員が台帳を調べたりAAに電話をしたりして予約をしていました。おそらくAAでは、社内の電話対応や端末操作作業の合理化を図るのが目的だったのでしょうが、その予約端末を旅行代理店に配置して、オンラインで直接予約ができるようにしたのです。
 旅行代理店の担当者は、従来の方法よりもこの方法のほうが便利なため、他の航空会社よりも優先的にAAに予約するようになり、AAの売上が急速に増大したのです。その後、他社の便も予約できるようにしたため、他社からの手数料が得られるようになり、利益が増大しました。さらに、これらのデータを活用して、スケジュール変更や運賃値下げなどの戦略的な対策をとることが容易になり、AAは業界での競争優位を獲得しました。

企業間ネットワーク

SISの事例は多様ですが、特にメーカーと小売店をネットワークで結び、顧客情報をキャッチして、顧客ニーズに合致した製品やサービスを提供することにより、競争で優位に立つという事例が多くみられます。
 企業間ネットワークは、企業間の業務協力へと発展しました。そして1990年代中頃からのインターネットの急速な普及により、ビジネスに大きな影響を与えるようになりました。

日本での例

SISの事例は多様ですが,特にメーカと小売店をネットワークで結び,顧客情報をキャッチして,顧客ニーズに合致した製品やサービスを提供することにより,競争で優位に立つというケースが多くみられます。日本でも,1985年に第3次通信回線の開放によって,企業間ネットワークが自由に構築できるようになり,SISの適用が急速に広まりました。

企業間ネットワークの発展

SISを構築するには,企業間ネットワークが不可欠です。あえてSISというまでもなく,企業間でデータをオンラインで交換することは業務の合理化になります。さらに企業間ネットワークは企業間の業務協力へと発展します。

企業間ネットワークは,企業間の業務協力へと発展しました。まず,メーカーが小売店に発注端末を設置したり,チェーンストアがEOS(Electronic Order System:自動発注システム)により,卸売業やメーカーに発注する形態が普及しました。1980年代から1990年代にかけて,製造・流通・販売の三層が協力して,顧客のニーズを満足させるために,商品を迅速に提供し,しかも流通でのコストダウンを図ることが重視されるようになりました。そのようなシステムをstrong>QR(Quick Response)やECR(Efficient Consumer Response)といいます。

その後,企業間ネットワークはますます発展し,EDI(Electronic Data Interchange:電子的データ交換),CALS(Continuos Aquisition and Life-cycle Sipport),EC(Electronic Commerce:電子商取引)などの概念が出てきました。そして1990年代中頃からのインターネットの急速な普及により,eビジネスのように多様な利用形態が出現し,ビジネスに大きな影響を与えるようになりました。

このように,ネットワーク,インターネットを活用した経営用語は非常に多様です。個々の用語によりニュアンスは異なりますが,いずれにせよ企業間で情報を交換することにより,1社だけではできない戦略を構築しようとしているのです。特にインターネットにより,対象が世界中に広がったこと,企業間だけでなく個人を相手としたビジネスに利用されるようになったことに注目してください。

SISの意義

SISの概念の普及により、経営における情報システムの位置づけが大きく変化しました。

経営戦略としての情報システム
EDPSからOAまでの概念では、情報システムは人間の仕事を支援することが目的でした。ところがSISでは、情報システムそのものが経営戦略の実現に役立つと認識されるようになったのです。そのため、「情報は第4の経営資源」とか「情報は企業競争の武器」といわれるようになりました。
経営戦略とITの関係
それまで、経営戦略が先にあり、その戦略に応じてITの活用を考えるべきだとされていました。「経営戦略→IT戦略」の関係だったのです。ところが、ITの活用が経営戦略に影響を与えるようになると、「IT戦略→経営戦略」の関係も必要となります。すなわち、経営者はITの動向に注目して、それを自社の戦略に取り込むことが重要だといわれるようになりました。

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