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選択肢試験目次
ki221 高度試験午前I 令和4年度春期
[ki221-01][ki181-01][ki131-01]
ハミング符号とは,データに冗長ビットを付加して,1ビットの誤りを訂正できるようにしたものである。ここでは,X1,X2,X3,X4の4ビットから成るデータに,3ビットの冗長ビットP3,P2,P1を付加したハミング符号 X1X2X3P3X4P2P1 を考える。付加ビットP1,P2,P3は,それぞれ
X1 ⊕ X3 ⊕ X4 ⊕ P1=0
X1 ⊕ X2 ⊕ X4 ⊕ P2=0
X1 ⊕ X2 ⊕ X3 ⊕ P3=0
となるように決める。ここで ⊕ は排他的論理和を表す。
ハミング符号 1110011 には1ビットの誤りが存在する。誤りビットを訂正したハミング符号はどれか。
ア 0110011 イ 1010011 ウ 1100011 エ 1110111
【解答】
正解:ア
1110011 → X1=1, X2=1, X3=1, P3=0, X4=0, P2=1, P1=0
これを3つの式に代入
1 ⊕ 1 ⊕ 0 ⊕ 1=1≠0
1 ⊕ 1 ⊕ 0 ⊕ 1=1≠0
1 ⊕ 1 ⊕ 1 ⊕ 0=1≠0
全ての式が誤り → 全ての式にある X1 が誤りビット
→ 1110011 の先頭ビットを反転 → 0110011 → アが〇
参照:ハミング符号
[ki221-02]≒[fe132-06]
リストは,配列で実現する場合とポインタで実現する場合とがある。リストを配列で実現した場合の特徴として,適切なものはどれか。ここで,配列を用いたリストは配列に要素を連続して格納することによってリストを構成し,ポイントを用いたリストは要素と次の要素へのポインタを用いることによってリストを構成するものとする。
- ア リストにある実際の要素数にかかわらず,リストに入れられる要素の最大個数に対応した領域を確保し,実際には使用されない領域が発生する可能性がある。
- イ リストの中間要素を参照するには,リストの先頭から順番に要素をたどっていくことから,要素数に比例した時間が必要となる。
- ウ リストの要素を格納する領域の他に,次の要素を指し示すための領域が別途必要となる。
- エ リストへの挿入位置が分かる場合には,リストにある実際の要素数にかかわらず,要素の挿入を一定時間で行うことができる。
【解答】
正解:ア
- アは○。静的に配列を宣言する場合,起こり得る最大のサイズを確保しないと,サイズ以上の要素が発生したときエラーが発生する。大きめにサイズを確保するため,空き領域が発生する。動的宣言の場合,発生する要素で与えた添字が飛び飛びだと,空いた配列要素が発生する。
- イは×。「配列に要素を連続して格納」を「整列を維持して格納」するとも解釈できる。その場合はバイナリサーチを行えば log2N(Nは要素数)に比例する。整列していないときは要素数に比例した時間が必要となる。
- ウは×。「次の要素を指し示すための領域」がポインタである。
- エは×。1回の参照で,ポインタ操作だけで挿入できる。これがポインタ構成の長所の一つ。
参照:「リスト構造」,
「サーチ(検索)」
[ki221-03]
プログラム言語のうち,ブロックの範囲を指定する方法として特定の記号や予約語を用いず,等しい文字数の字下げを用いるという特徴をもつものはどれか。
ア C イ Java ウ PHP エ Python
【解答】
正解:エ
C, Java, PHP では,処理文A.Bのブロックを { } で囲む。字下げは任意。
if (条件) {
処理文A;
処理文B;
}
処理文C;
Python では,次のように記述する。
if 条件:
処理文A
処理文B
処理文C;
アは×。C
イは×。Java
ウは×。PHP
エは〇。Python
[ki221-04]
キャッシュメモリのアクセス時間が主記憶のアクセス時間の 1/30 で,ヒット率が95%のとき,実効メモリアクセス時間は,主記憶のアクセス時間の約何倍になるか。
ア 0.03 イ 0.08 ウ 0.37 エ 0.95
【解答】
正解:イ
主記憶のアクセス時間を t とする。
実効メモリアクセス時間 = キャッシュメモリのアクセス時間 * ヒット率 + 主記憶のアクセス時間 * (1-ヒット率)
= (t/30)*0.95 + t(1-0.95) = 0.082t → イが〇
参照:「記憶階層とキャッシュメモリ」
[ki221-05]
プロセッサ数と,計算処理におけるプロセスの並列化が可能な部分の割合とが,性能向上へ及ぼす影響に関する記述のうち,アムダールの法則に基づいたものはどれか。
- ア 全てのの計算処理が並列化できる場合,速度向上比は,プロセッサ数を増してもある水準に漸近的に近づく。
- イ 並列化できない計算処理がある場合,速度向上比は,プロセッサ数に比例して増加する。
- ウ 並列化できない計算処理がある場合,速度向上比は,プロセッサ数を増やしてもある水準に漸近的に近づく。
- エ 並列化できる計算処理の割合が増えると,速度向上比は,プロセッサ数に反比例して減少する。
【解答】
正解:ウ
[アムダールの法則]
1
速度向上比 = ───────────────────
並列化可能率
(1-並列化可能率) + ──────
プロセッサ数
アは×。並列化可能率=1 → 速度向上比 = 定数プロセッサ数 → プロセッサ数に比例して増加
イは×。アの裏返し。プロセッサ数に比例して増加するのは,並列化可能率=1の場合
ウは〇。プロセッサ数=∞ → 速度向上比 = 1 → ある水準に漸近的に近づく
エは×。並列化可能率=1 → プロセッサ数に比例して増加
参照:「複数台数と処理速度」(hs-daisu-sokudo)
[ki221-06]
一つの I2C バスに接続された二つのセンサがある。それぞれのセンサ値を読み込む二つのタスクで排他的に制御したい。利用するリアルタイムOSの機能として,適切なものはどれか。
ア キュー イ セマフォ ウ マルチスレッド エ ラウンドロビン
【解答】
正解:イ
I2Cバスとは,比較的近い場所にあるデバイス間での高速情報伝達を行う方式。2本の信号線を用いることからこの名称になった。ここではこれに関係なく,排他制御を実現する機能の用語を求めている。
アは×。キュー:「待ち」のこと。実行されるのを待っているタスクなど。
イは〇。セマフォ:排他制御の方法の一つ。セマフォ変数の値を設定して他のタスクのアクセスを許可・禁止する。
ウは×。マルチスレッド:同時に複数のスレッド(タスク)を行えるOSのこと。通常のOSがもっている機能
エは×。ラウンドロビン:あるタスクがタイマ割込みなどにより,実行可能状態に遷移したときキューの末尾に並ぶ方式
[ki221-07][fe181-21]
アクチュエータの説明として,適切なものはどれか。
- ア 与えられた目標量と,センサから得られた制御量を比較し,制御量を目標量に一致させるように操作量を出力する。
- イ 位置,角度,速度,加速度,力,温度などを検出し,電気的な情報に変換する。
- ウ エネルギー発生源からのパワーを,制御信号に基づき,回転,並進などの動きに変換する。
- エ マイクロフォン,センサなどが出力する微小な電気信号を増幅する。
【解答】
[ki221-08]
第1,第2,第3正規形とリレーションの特徴a,b,cの組合せのうち,適切なものはどれか。
a;どの非キー属性も,主キーの真部分集合に対して関数従属しない。
b:どの非キー属性も,主キーに推移的に関数従属しない。
c:繰返し属性が存在しない。
第1正規形 第2正規形 第3正規形
ア a b c
イ a c b
ウ c a b
エ c b a
【解答】
正解:ウ
集合
部分集合 A⊂B AとBが一致してもよい
真部分集合 AとBが一致しない,つまりAが完全にBの一部分
関数従属 ある属性(項目)が定まると他の属性が定まるという関係
完全関数従属 主キー全体に従属すること
部分関数従属 主キーの一部に従属すること
推移関数従属 間接的に従属すること
第1正規形=c 繰り返しを排除
第2正規形=a 部分関数従属する項目を分離
第3正規形=b 主キー以外のキーに関数従属する項目を分離
→ ウが〇
参照:データの正規化
[ki221-09]
ビッグデータの利用におけるデータマイニングを説明したものはどれか。
- ア 蓄積されたデータを分析し,単なる検索だけではわからない隠れた規則や相関関係を見つけ出すこと
- イ データウェアハウスに格納されたデータの一部を,特定の用途や部門用に切り出して,データベースに格納すること
- ウ データ処理の対象となる情報を基に規定した,データの構造,意味および操作の枠組みのこと
- エ データを複数のサーバに複製し,性能と可用性を向上させること
【解答】
[ki221-10][fe131-36]
UDPを使用しているものはどれか。
ア FTP イ NTP ウ POP3 エ TELNET
【解答】
正解:イ
UDPは,信頼性が低いが,逆に伝送効率は高い。マルチメディア通信や少量データの同報通信に利用
アは×。FTP(File Transfer Protocol)ファイル転送。TCPを使う
イは○。NTP(Network Time Protocol)コンピュータ内部時計をネットワークから標準時計に同期。少量データの同報通信nanode
UDPを使う
ウは×。POP3(Post Office Protocol version 3)電子メール受信。TCPを使う
エは×。TELNET:リモートログイン。サーバの持つ機能をクライアントから使う。TCPを使う
[ki221-11]
OpenFlow を使ったSDN(Software-Defined Networking)に関する記述として,適切なものはどれか。
- ア インターネットのドメイン名を管理する世界規模の分散データベースを用いて,IPアドレスの代わりに名前を指定して通信できるようにする仕組み
- イ 携帯電話網において,回線交換方式ではなく,パケット交換方式で音声通話を実現する仕組み
- ウ ストレージ装置とサーバを接続し,WWN(World Wide Name)によってノードやポートを識別するストレージ用ネットワーク
- エ データ転送機能とネットワーク制御機能を論理的に分離し,ネットワーク制御を集中的に行うことを可能にしたアーキテクチャ
【解答】
[ki221-12]
メッセージの送受信における署名鍵の使用に関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア 送信者が送信者の署名鍵を使ってメッセージに対する署名を作成し,メッセージに付加することによって,受信者が送信者による署名であることを確認できるようになる。
- イ 送信者が送信者の署名鍵を使ってメッセージを暗号化することによって,受信者が受信者の署名鍵を使って,暗号文を元のメッセージに戻すことができるようになる。
- ウ 送信者が送信者の署名鍵を使ってメッセージを暗号化することによって,メッセージの内容が関係者以外にわからないようにする。
- エ 送信者がメッセージに固定文字列を付加し,さらに送信者の署名鍵を使って暗号化することによって,受信者がメッセージの改ざん部位を特定できるようになる。
【解答】
正解:ア
アは〇。解読の方法が示されていないので,第三者も送信者による署名だとわかる心配があるが,署名鍵の使い方そのだけでは正しい。
イは×。受信者が受信者の署名鍵を使って → 受信者が送信者の公開鍵(検証鍵)を使って
ウは×。これだけでは正規の受信者すら解読できない
エは×。メッセージに固定文字列を付加し→ 平文のハッシュを暗号化
改ざん部位を特定 → 改ざんの有無はわかるが,部位は特定できない
参照:電子署名の概要,
ハイブリッド暗号方式
[ki221-13]
クライアント証明書で利用者を認証するリバースプロキシサーバを用いて,複数のWebサーバにシングルサインオンを行うシステムがある。このシステムに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- ア クライアント証明書を利用者のPCに送信するのは,Webサーバではなく,リバースプロキシサーバである。
- イ クライアント証明書を利用者のPCに送信するのは,リバースプロキシサーバではなく,Webサーバである。
- ウ 利用者IDなどの情報をWebサーバに送信するのは,リバースプロキシサーバではなく,利用者のPCである。
- エ 利用者IDなどの情報をWebサーバに送信するのは,利用者のPCではなく,リバースプロキシサーバである。
【解答】
正解:エ
クライアント証明書:サーバ側(Webサイト側)ではなく,クライアント側(利用者側)の利用者あるいはPCなどデバイスに対するデジタル証明書
リバースプロキシサーバ:Webサーバの負荷分散のため,サーバ側に設置される代理サーバ。
シングルサインオン:認証情報の管理を一元化することによって,1回の認証だけで一連の操作でのパスワード入力を不要にする方式
ア・イは×。クライアント証明書は,サーバ側からの証明要求により,クライアントからサーバへ送信する。
ウは×。エが〇。クライアント証明書は利用者のPCに保管されており,サーバ側は送られてきたクライアント証明書から利用者IDなどの情報を得る。
その処理をWebサーバの前にあるリバースプロキシサーバが行うことにより,Webサーバの負荷を低減する。
参照:シングルサインオンとリバースプロキシサーバ方式
[ki221-14]≒[ki181-13]
内部ネットワークのPCからインターネット上のWebサイトを参照するときにDMZ上に用意したVDI(Virtual Desktop Infrastructure)サーバ上のWebブラウザを利用すると,未知のマルウェアがPCにダウンロードされて,PCが感染することを防ぐというセキュリティ上の効果が期待できる。この効果を生み出すVDIサーバの動作の特徴はどれか。
- ア Webサイトからの受信データを受信処理した後,IPsecでカプセル化し,PCに送信する。
- イ Webサイトからの受信データを受信処理した後,実行ファイルを削除し,その他のデータをPCに送信する。
- ウ Webサイトからの受信データを受信処理した後,生成したデスクトップ画面の画像データだけをPCに送信する。
- エ Webサイトからの受信データを受信処理した後,不正なコード列が検知されない通信だけPCに送信する。
【解答】
正解:ウ
アは×。IPsec:暗号化により第三者への漏洩を防ぐのが目的
イは×。パケットフィルタリング型(プロキシ型)のファイアウォール。実行ファイルなどバイナリファイルを遮断する。
ウは○。VDI。厳密には画面転送型のVDIでSBC(Server-Based Computing)ということもある
エは×。アプリケーションゲートウェイ型(プロキシ型)のファイアウォール
[ki221-15][ki192-14][ki181-14]
ファジングに該当するものはどれか。
- ア サーバにFINパケットを送信し,サーバからの応答を観測して,稼働しているサービスを見つけ出す。
- イ サーバのOSやアプリケーションソフトが生成したログやコマンド履歴などを解析して,ファイルサーバに保存されているファイルの改ざんを検知する。
- ウ ソフトウェアに,問題を引き起こしそうな多様なデータを入力し,挙動を監視して,脆弱性を見つけ出す。
- エ ネットワーク上を流れるパケットを収集し,そのプロトコルヘッダやペイロードを解析して,あらかじめ登録された攻撃パターンと一致した場合は不正アクセスと判断する。
【解答】
[ki221-16]
次の流れ図において,判定条件網羅(分岐網羅)を満たす最少のデストケースの組みはどれか。
ア (1) A=0, B=0 (2) A=1, B=1
イ (1) A=1, B=0 (2) A=1, B=1
ウ (1) A=0, B=0 (2) A=1, B=1 (3) A=1, B=0
エ (1) A=0, B=0 (2) A=0, B=1 (3) A=1, B=0
【解答】
正解:イ
A と B の組合せで,流れ図の Yes, No のどちらを通るかを図示する。
命令網羅とは,すべての命令を少なくとも1回は実行すること。
すなわち,赤線と青線を含む組合せで,最小の回数のものを探す。
ア:青線がない
イ;両方あり。ケース数2 →イが〇
ウ:両方あり。ケース数3((2)は無駄)
ウ:両方あり。ケース数3(赤線が重複)
参照:網羅性
[ki221-17]
問題は発生していないが,プログラムの仕様書と現状のソースコードとの不整合を解消するために,リバースエンジニアリングの手法を使って仕様書を作成し直す。これはソフトウェア保守のどの分類に該当するか。
ア 完全化保守 イ 是正保守 ウ 適応保守 エ 予防保守
【解答】
正解:ア
アは〇。完全化保守 問題文の通り。潜在的な障害が,故障として現れる前に,検出し訂正するための修正
イは×。是正保守(修正保守):仕様の誤り,ソフトウェアのバグなどの修正
ウは×。適応保守:外部環境の変化(データ量の増大,関連法規の改正,OSやERPパッケージなどの変更)への対応
エは×。予防保守:故障が発生する前に対応して,故障を防ぐ。通常はハードウェアが対象
参照:ソフトウェア保守の発生
[ki221-18][ki191-18][ki092-18]
ある組織では,プロジェクトのスケジュールとコストの管理にアーンドバリューマネジメントを用いている。期間10日のプロジェクトの,5日目の終了時点の状況は表のとおりである。この時点でのコスト効率が今後も続くとしたとき,完成時総コスト見積り(EAC)は何万円か。
管理項目 金額(万円)
完成時総予算(BAC) 100
プランドバリュー(PV) 50
アーンドバリュー(EV) 40
実コスト(AC) 60
ア 110 イ 120 ウ 135 エ 150
【解答】
正解:エ
EAC=BAC(AC/EV)=100×(60/40)=150 →エが○
参照:EVM
[ki221-19]
ソフトウェア開発プロジェクトにおいて,表の全ての作業を完了させるために必要な期間は最短で何日間か。
作業 作業の開始条件 所要日数(日)
要件定義 なし 30
設計 要件定義の完了 20
製造 設計の完了 25
テスト 製造の完了 15
利用者マニュアル作成 設計の完了 20
利用者教育 テストの完了及び 10
利用者マニュアル作成の完了
ア 90 イ 95 ウ 100 エ 120
【解答】
[ki221-20] ≒[fe162-57]
ITIL 2011 edition では,可用性管理における重要業績評価基準(KPI)の例として,「保守性を表す指標値」の短縮を挙げている。保守性を表す指標に該当するものはどれか,
ア 一定期間内での中断の数
イ 平均故障間隔
ウ 平均サービス・インシデント間隔
エ 平均サービス回復時間
【解答】
正解:エ
可用性管理:ITILのサービス設計(Service Design)ステージに属する重要な管理分野
可用性=MTBF/(MTBF+MTTR)
MTBF(mean time between failures,平均故障間隔)=信頼性(Reliability)
MTTR(mean time to repair,平均復旧時間)=保守性(Serviceability)
KGIとKPI:KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)は,目標が達成できたかどうかを評価するための数値的指標,KPI(Key Performance Indicator)はKGIの原因であり先行指標となる数値的評価項目。ここでは,可用性の達成がKGIで,MTBF,MTTRがKPIになる。
アは×。MTBFの逆数。イと同じ理由。可用性の指標
イは×。可用性のKPIになるが,信頼性の指標
ウは×。インシデント:影響が大になりそうな異常の発生。その管理はITILのインシデント管理で信頼性の指標
エは○。可用性のKPIになり,保守性の指標
[ki221-21][ki111-21]
基幹業務の構築及び運用において,データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)を別々に任命した場合のDAの役割として,適切なものはどれか。
ア 業務データ量の増加傾向を把握し,ディスク装置の増設などを計画して実施する。
イ システム開発の設計工程では,主に論理データベース設計を行い,データ項目を管理して標準化する。
ウ システム開発のテスト工程では,主にパフォーマンスチューニングを担当する。
エ システム障害が発生した場合には,データの復旧や整合性のチェックなどを行う。
【解答】
正解:イ
DAは外部スキーマ・概念スキーマの分野,DBAは内部スキーマ,実装,運用の分野を担当
イの「論理データベース設計」は概念スキーマであり,DAの任務→イが○
他は運用工程での管理なのでBDAの任務
参照:データベース管理者
[ki221-22][ki202-22]
監査証拠の入手と評価に関する記述のうち,システム監査基準(平成30年)に照らして,適切でないものはどれか。
- ア アジャイル手法を用いたシステム開発プロジェクトにおいては,管理用ドキュメントとしての体裁が整っているものだけが監査証拠として利用できる。
- イ 外部委託業務実施拠点に対する監査において,システム監査人が委託先から入手した第三者の保証報告書に依拠できると判断すれば,現地調査を省略できる。
- ウ 十分かつ適切な監査証拠を入手するための本調査の前に,監査対象の実態を把握するための予備調査を実施する。
- エ 一つの監査目的に対して,通常は,複数の監査手続を組み合わせて監査を実施する。
【解答】
正解:ア
アは不適切。管理用ドキュメントの有無も監査項目になるし,なくても開発体制などの監査は可能
イは適切。現地調査省略の説明が十分にできればよい。
ウは適切。通常の手順である。
エは適切。エ 一つの監査目的に対して,通常は,インタビューをしたり,資料の提出を求めたりする。
参照:システム監査基準,
システム管理基準
[ki221-23]
BPOの説明はどれか。
- ア 災害や事故で被害を受けても,重要事業を中断させない,又は可能な限り中断期間を短くする仕組みを構築すること
- イ 社内業務のうちコアコンピタンスでない事業に関わる業務の一部または全部を,外部の専門的な企業に委託すること
- ウ 製品の基準生産計画,部品表及び在庫情報を基に,資材の所要量と必要な時期を求め,これを基準に資材の手配,納入の管理を支援する生産管理手法のこと
- エ プロジェクトを,戦略との適合性や費用対効果,リスクといった観点から評価を行い,情報化投資のバランスを管理し,最適化を図ること
【解答】
正解:イ
アは×。BCP(Business Continuity Plan)
イは〇。BPO(Business Process Outsourcing)
ウは×。MRP(Material Requirements Planning)
エは×。BSC(Balanced Score Card)
[ki221-24]
IT投資効果の評価方法において,キャッシュフローベースで初年度の投資によるキャッシュアウトを何年後に回収できるかという指標はどれか。
ア IRR(Internal Rate of Return) イ NPV(Net Present Value)
ウ PBP(Pay Back Period) エ ROI(Return On Investment)
【解答】
正解:ウ
キャッシュアウトとは,投下したキャッシュが回収できること。
すなわち,「回収年法を英語で何というか」という問題になる。
参照:「設備投資の評価方法」
[ki221-25]
UMLの図のうち,業務要件定義において,業務フローを記述する際に使用する,処理の分岐や並行処理,処理の同期などを表現できる図はどれか。
ア アクティビティ図 イ クラス図 ウ 状態マシン図 エ ユースケース図
【解答】
[ki221-26][ki181-26][ki131-26]
PPMにおいて,投資用の資金源と位置付けられる事業はどれか。
ア 市場成長率が高く,相対的市場占有率が高い事業
イ 市場成長率が高く,相対的市場占有率が低い事業
ウ 市場成長率が低く,相対的市場占有率が高い事業
エ 市場成長率が低く,相対的市場占有率が低い事業
【解答】
正解:ウ
アは×。花形:売上は大きいが投資も必要。資金の余裕はない。
イは×。問題児:投資の成果により花形・負け犬に。未だ利益を生まず,資金の配布対象
ウは〇。金の生る木:利益が高い。資金源になる。
エは×。負け犬:撤退すべき分野。利益は期待できない。
参照:PPM
[ki221-27]
半導体産業において,ファブレス企業と比較したファウンドリ企業のビジネスモデルの特徴として,適切なものはどれか。
ア 工場での生産をアウトソーシングして,生産設備への投資を抑える。
イ 自社製品の設計,マーケティングに注力し,新市場を開拓する。
ウ 自社製品の販売に注力し,売上げを拡大する。
エ 複数の企業から生産だけを専門に請け負い,多くの製品を低コストで生産する。
【解答】
正解:エ
アは×。自社で工場を持たないことはファブレス企業の特徴。生産設備への投資を抑えることが主動機ではない。
イは×。IPプロバイダに近い
ウは×。流通販売企業に近い
エは〇。ファウンドリ企業(広義)
参照:半導体産業の分業構造
[ki221-28]
XBRLで主要な取扱いの対象とされている情報はどれか。
ア 医療機関のカルテ情報 イ 企業の顧客情報
ウ 企業の財務情報 エ 自治体の住民情報
【解答】
正解:ウ
XBRL(eXtensible Business Reporting Language:拡張可能な事業報告言語)
XMLのタグに相当する勘定科目とその定義をして。財務文書の電子文書化の標準形式
参照:XBRL
ウ以外の分野でも,データ流通の効率化のために,XMLの利用が進んでいるが,統一的仕様の普及には至っていない。
参照:XML
[ki221-29]
リーダシップ論のうち,PM理論の特徴はどれか。
- ア 優れたリーダシップを発揮する,リーダ個人がもつ性格,知性,外観などの個人的資質の分析に焦点を当てている。
- イ リーダシップのスタイルについて,目標達成能力と集団維持能力の二つの次元に焦点を当てている。
- ウ リーダシップの有効性は,部下の成熟(自律性)の度合いという状況要因に依存するとしている。
- エ リーダシップの有効性は,リーダがもつパーソナリティと,リーダがどれだけ統制力や影響力を行使できるかという状況要因に依存するとしている。
【解答】
正解:イ
アは×。リーダーシップ特性理論(古典的理論)
イは〇。P:課題達成機能(Performance), M:人間関係・集団維持機能(Maintenance)
ウは×。リッカートの「システム4理論」
部下との関係により適したタイプがあるが,システム4 民主主義型が最適と指摘
エは×。SL理論(Situational Leadership Theory:条件適合理論)?
指示的行動(仕事志向,業務指示の必要性)と支援的行動(人間志向,コミュニケーションの必要性)のマトリクス
参照:リーダーシップ論
[ki221-30]
A社は,B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず,A社の要求仕様に基づいて,販売管理システムのプログラム作成をB社に依頼した。この場合のプログラム著作権の原始的帰属はどれか。
ア A社とB社が話し合って帰属先を決定する。
イ A社とB社の共有帰属となる。
ウ A社に帰属する。
エ B社に帰属する。
【解答】
正解:エ
著作権は制作者(受注者=B社)に帰属 →エが○
参照:「著作権の帰属」